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2021年上半期にクラウドで売り上げを伸ばした企業は?クラウドインフラサービスとSaaSが大幅な伸び

Synergy Research Groupによると、2021年上半期の主要クラウドサービスとインフラの売上高は2020年上半期比で25%増加し、2350億ドルに達した。

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 調査会社のSynergy Research Groupは2021年10月12日(米国時間)、2021年上半期の主要クラウドサービスとインフラの売上高が2020年上期比(前年同半期比)で25%増加し、2350億ドルに達したと発表した。

 この数字は「クラウドインフラサービス(IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドサービス)」「エンタープライズSaaS」「データセンター(パブリック、プライベート、ハイブリッドクラウドインフラ)向けITハードウェアとソフトウェア」「クラウドプロバイダー向けコロケーション、リース、データセンター建設」という4つのカテゴリーの売上高合計だ。

 これらのカテゴリーの中で、2021年上半期の売上高が最も伸びたのはクラウドインフラサービスで、前年同半期比37%増となった。エンタープライズSaaSがこれに次ぐ24%増で、データセンター向けITハードウェアとソフトウェアが16%増、クラウドプロバイダー向けコロケーション、リース、データセンター建設が17%増だった。

どの企業がクラウドで売り上げを立てているのか

 これらのクラウドエコシステムへの売上高の貢献が最も大きな企業は次の6社だ。

 Microsoft、Amazon.com、Salesforce.com、Dell、Google、IBMである。これらに次いで貢献が大きい企業には、Cisco Systems、Adobe、Oracle、VMware、SAP、Hewlett Packard Enterprise、Alibaba Group、Inspur Group、Huawei Technologiesが含まれる。これらの企業の売上高を合計すると、主要クラウドサービスとインフラの売上高全体の5割を優に超える。


2021年上半期における4つの主要クラウドカテゴリー 売上高の成長率と主要企業を示した(出典:Synergy Research

好循環が続くクラウド

 2021年上半期にクラウドインフラの構築に使われたハードウェアとソフトウェア支出は700億ドル超となり、パブリッククラウドインフラ向け支出がプライベートクラウドインフラ向け支出を大きく上回った。クラウドインフラ投資が功を奏し、クラウドサービスプロバイダーはクラウドインフラサービスとエンタープライズSaaSの合計で1500億ドル超の売上高を計上した。

 クラウドインフラはエンタープライズサービスに加え、検索、ソーシャルネットワーキング、電子コマース、ゲーム、モバイルアプリケーションといったインターネットサービスも支えている。クラウドプロバイダーはインフラを収容する場所を必要とするため、データセンターリース、コロケーションサービス、データセンター建設へのクラウドプロバイダーの大規模支出も増加を続けている。

 「クラウド関連のさまざまな市場は前年比15〜40%以上のペースで成長しており、われわれの予測では、クラウドサービスへの年間支出は4年以内に2倍に増える見通しだ。IT分野でクラウドはますます台頭しており、クラウドエコシステムを構成する企業が恩恵を受けている」と、Synergy Research Groupの主席アナリスト、ジョン・ディンスデール氏は述べている。

 「特に成功している企業は、非クラウドの大きなレガシー市場に基盤を置いていない企業だ。Amazon.com、Salesforce.com、Googleのような企業は、10年前はエンタープライズIT市場でほとんど存在感がなかったが、今では大きな勢力となっている。Microsoftも注目に値する。エンタープライズ市場で長年存在感を発揮してきたが、クラウドエコシステム全体から売上高を稼ぐ事業構造に転換し、主要なクラウドベンダーの一角を占めている」(ディンスデール氏)

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