次世代IDEを兼ねる軽量エディタ「JetBrains Fleet」が発表:IntelliJのコード処理エンジンを採用
JetBrainsは次世代IDEを兼ねるフル機能の軽量エディタ「JetBrains Fleet」を発表した。JetBrains Fleetは、同社の20年に及ぶIDE開発経験をベースに一から構築されており、分散IDEアーキテクチャと改良されたUIを備えている。複数人による共同開発にも向くという。
統合開発環境(IDE)「IntelliJ IDEA」やプログラミング言語「Kotlin」の開発元であるJetBrainsは2021年11月29日(チェコ時間)、構文ハイライトや単純なコード補完など、エディタに求められる要素を網羅したフル機能の軽量エディタ「JetBrains Fleet」(以下、Fleet)を発表した。
エディタとは別に実行するIntelliJのコード処理エンジンを搭載しており、フル機能のIDEでもある。スマート補完やリファクタリング、ナビゲーション、デバッグなど、開発者が頻繁に使用する機能を完備しており、これらの機能は全て、ボタンをクリックするだけで使用できる。
Fleetは新しいアーキテクチャに基づいて一から構築されており、次のような特徴を備えている。
Rustにも対応
Fleetはさまざまなプログラミング言語に対応しており、特定の言語の機能を利用するためにさまざまなIDEを開く必要がない。
既にJavaやKotlin、Python、Go、JavaScript、Rust、TypeScript、JSONに対応しており、近いうちにPHP、C++、C#、HTMLにも対応する予定だ。
プロジェクトがどこにあっても処理できる分散型
Fleetは分散型アーキテクチャを採用している。そのため、プロジェクトがローカルにあるのか、コンテナにあるのか、リモートにあるのかにかかわらず、仮想ファイルシステムを使用して、同じようにプロジェクトを処理できる。
Fleetのアーキテクチャではフロントエンドとバックエンド、ワークスペースサーバ、ファイルシステムウォッチャーが分けられている。
Fleetのアーキテクチャと主要コンポーネント フロントエンドはUIの提供やファイルの解析、サポートされているファイルタイプに対する強調表示などを行う。ワークスペースはフロントエンドが複数ある場合にフロントエンドの共有状態を維持する。さらに他のコンポーネントを登録して、利用可能なサービスとAPIに関する情報を提供する。ヘッドレスサービスであるバックエンドは、インデックス作成や静的分析、高度な検索、ナビゲーションなどを担う。FSD(Fleet System Daemon)はソースコードとSDKが存在するシステムに接続されているFleetエージェント。Fleetに代わって、プロジェクトのビルドやコードの実行、ターミナルコマンドの実行、ターゲット環境で他のアクションの実行を行う(出典:JetBrains)
Fleet自体を分散して実行できることから、例えば、解析などの操作をリモートマシンで実行するという使い方ができる。
JetBrains Spaceと統合
FleetはJetBrainsのリモート開発ソリューション「JetBrains Space」(以下、Space)でサポートされているJetBrains IDEの一つという位置付けだ。
Spaceはリモートソフトウェア開発ワークフローを包括的に支援するため、クラウド内の仮想マシンをリモート開発環境として自動的に管理する機能を提供している。Spaceを使うことで、すぐに開発環境を構成、起動、再現、管理でき、Fleetを含むJetBrains IDEから接続してコーディングを開始できる。
この開発環境はDockerコンテナ内で稼働しているため、プロジェクトに必要な全てのツールとライブラリを、Dockerfileを使用してインストールできる。
共同作業に対応
Fleetは他のユーザーとの共同コーディングにも対応している。エディタを共有できるだけでなく、ターミナルやデバッグセッションの共有、コードレビューの実行、コードの調査など、数多くの共同作業が可能であり、特別なセットアップは不要だ。
あるユーザーが開始した共同作業セッションに他のユーザーが接続したり、全員がリモートの共有開発環境に接続したりできる。
Fleetは現在、早期リリースの段階にあり、試用するには、Fleet Explorerプログラムに参加する必要がある。
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