メキシコのエンジニアは「モー娘。」を追い掛けて日本を巡る:Go AbekawaのGo Global!〜Carlos Planter編(後)(1/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はmedibaのCarlos Planter(カルロス・プランテル)氏にお話を伺う。友達と一緒に回った日本には「いつかここに住みたい」と強く思わせる魅力があったという。そんなプランテル氏が遭遇した「スタートアップあるある」とは何か。
世界で活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回ご登場いただくのはmedibaのCarlos Planter(カルロス・プランテル)氏。設計やマネジメントといった上流工程に携わる同氏が、今一番楽しいこととは。聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
秋葉原は俺の庭
阿部川 高校卒業後、お友達と一緒に観光で来日されたわけですが実際に来てみてどうでしたか。
プランテル氏 面白かったですね。秋葉原には2〜3日通い詰めました。たぶん全てのお店に入ったと思います。
阿部川 まずは秋葉原だったんですね。秋葉原は天国だったでしょう(笑)。
プランテル氏 楽園でしたね……。旅費は友達が出してくれましたけど手持ちは少なくて、母が頑張って工面してくれた5万円とおばあちゃんがくれたお小遣いの全てを秋葉原で使いましたね。
阿部川 5万円も! お母さん頑張りましたね。秋葉原以外ではどこか印象に残っているところはありますか。
プランテル氏 明治神宮や東京タワーに行きました。品川の周りにも行きましたね。後は友達の両親がどうしても大仏を見たいというので、奈良に行きました。今思えばついでに京都に1泊すればよかった。その日本旅行で、日本は街並みがきれいだし、人は優しいし、「いつかここに住みたい」と強く思いました。
阿部川 では大学卒業後はすぐに日本に来たのですか。
プランテル氏 いいえ。在学中から手伝っていた父の仕事をしばらく続けていました。あるとき、メキシコシティーに住んでいる大学時代の友人と「Webサイトを作ろう」という話になり、フリーランスでWeb開発の仕事を始めました。確か2010年くらい。仕事のほとんどはWebサイトの作成でした。
「モー娘。」を追い掛けて再び日本へ
阿部川 その間、日本への思いを募らせていた……といった感じでしょうか。
プランテル氏 日本へは2010年にもう一度来ているんです。実は私、アイドルの「モーニング娘。」(モー娘。)が好きなんです。
阿部川 なんと(笑)。先に言ってくださいよ、モーオタだったんですね。
プランテル氏 はい! 初めてイベントに参加したのは2009年のロサンゼルス公演です。ちなみに好きなメンバーは高橋 愛です(笑)。2010年は観光とモー娘。のイベントに参加する目的で来日しました。亀井絵里というメンバーの卒業公演があったので。
阿部川 「推し」がいたわけですね。モー娘。を追っ掛けて日本に来たと。
プランテル氏 そうです。しばらく滞在する予定だったのでロサンゼルス公演で仲良くなった日本人の家に居候していました。少ないですけど家賃も払って。それで9カ月くらいしてメキシコに戻りました。
阿部川 戻ってからもすぐ日本に来たくなったのではないですか。
プランテル氏 はい。ただ来日したときに組んだローンの返済もありますし、まずはお金を稼がないと、いう感じで一生懸命働いていました。あるときモー娘。の友達が「(日本で)会社を立ち上げるから手伝ってくれないか」と誘ってくれたんです。「ぜひお願いします」ということで3度目の来日をすることになりました。
「モー娘。好きなんですよね」とはにかむ姿がチャーミングでした。メキシコの地で日本の仕事を探すことは大変だと思います。たまたまだと言ってしまえばそれまでですが、私はプランテル氏の「好き」という気持ちが運を引き寄せたのだと考えます。そもそも最初に来日したときも「日本に行きたいんでしょ。お金出すから一緒に行こうよ」って友達に誘われるなんてそうそうない話ですよね。好きの力ってすごい。
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