転職率増加の要因は「コロナ禍で転職活動する時間が増えた」ため マイナビが転職動向の調査結果を発表:転職率は過去6年間で最高に
マイナビは「転職動向調査2022年版」を発表した。2021年の転職率は過去6年間で最も高いことが分かった。
マイナビは2022年3月25日、「転職動向調査2022年版」を発表した。2021年に転職し、現在正社員として働いている20〜50歳代の男女1500人を対象に、転職者の傾向や変化を調査した。
調査結果によると2021年の正社員の転職率は、対前年比2.1ポイント増の7.0%だった。2016年以来増加傾向にあった転職率は、2020年に減少に転じていたが、2021年は過去6年間で最も高い結果となった。
「より大きな企業への転職」が増加
在職中に転職した割合は対前年比で5.6ポイント増の73.1%。転職者のうち「週4日以上在宅勤務をしている」という割合は、対前年比で7.0ポイント増加し、48.9%だった。マイナビは「転職率が増加した要因は、在宅勤務の浸透によって出勤時間が削減されたことで転職活動をする時間が増え、在籍中に転職活動がしやすい環境になったため」と分析している。
転職前後の企業規模を比べると、2020年までは「(規模が)より小さい企業への転職」がやや多かったのに対して、2021年はより小さい企業への転職率が32.3%、より大きい企業への転職率は33.1%と「より大きい企業への転職」が多かった。業種別に見ると、クリエイター、エンジニア職でこの傾向が顕著だった。
年収が上がった割合は過去3年間で最高
年収で比較すると全体で35.6%が「前職より年収が上がった」と回答しており、最近3年間では最も高かった。年収が上がった割合を業種別に見ると、転職後の企業規模の変化と同様にクリエイター、エンジニア職が最も高かった。「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などで、IT関連の高スキル保有者への採用ニーズが高まり、これまでより従業員規模の大きい企業に転職した人や年収が増加した人が増えた」とマイナビは推測している。
前職の勤務先での就業期間は、最近4年間で最も短い平均58.7カ月だった。転職回数を見ると、「1回」が26.8%で最も多い。ただし、その割合は年々減少し、「2回」(25.5%)と「3回」(19.5%)の割合が増えていた。
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