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2021年の「世界IaaS市場」、規模が41.4%増の909億ドルにAlibabaが3位に食い込む

Gartnerによると、世界のIaaS市場規模は2021年に909億ドルとなり、2020年の643億ドルから41.4%成長した。

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 Gartnerは2022年6月2日(米国時間)、世界のIaaS(Infrastructure as a Service)市場規模が2021年に909億ドルとなり、2020年の643億ドルから41.4%成長したと発表した。2021年のIaaS市場ではAmazon Web Services(AWS)が首位を維持し、Microsoft、Alibaba、Google、Huawei Technologiesがこれに続いた。

 「IaaS市場は成長の一途をたどっている。クラウドネイティブがモダンワークロードの主流のアーキテクチャとなっているからだ」と、Gartnerのバイスプレジデントアナリストであるシド・ナグ氏は説明する。「クラウドは、先進的な技術やアプリケーションが要求するスケーラビリティとコンポーザビリティをサポートする。企業はクラウドを利用して、データ主権、データ統合、顧客エクスペリエンス向上といった新しいニーズに対応できる」

 2021年には、上位5社のIaaSプロバイダーの市場シェア合計は81.2%となり、2020年(80.3%)に続いて80%の大台を超えた。首位のAWSのIaaS売上高は約354億ドルとなったが、市場シェアは2020年比1.9ポイント減の38.9%にとどまった。


2020年と2021年における世界のIaaSパブリッククラウドサービスの売上高と市場シェア(提供:Gartner)

Microsoftは市場シェアを伸ばす

 2位のMicrosoftのIaaS売上高は市場平均を上回る伸びを記録し、約192億ドルとなった。

 Microsoftの市場シェアは1.4ポイント増の21.1%に達した。以前から多くの企業がMicrosoftの企業向けソフトウェアとサービスに依存しているため、「Microsoft Azure」はほぼあらゆる業種で、ビジネス機会を捉えるのに有利な立場にある。

 3位のAlibabaは、IaaS売上高が約87億ドル、市場シェアが9.5%。中国のクラウド市場をリードし続けており、インドネシア、マレーシアなどの新興クラウド市場でも、リーディングプロバイダーとなる態勢が整っている。現地市場を理解しており、デジタルコマース展開を支援できるからだ。

 4位のGoogleは、2021年のIaaS売上高が約64億ドルとなり、上位5社の中で最高となる63.7%の2020年比成長率を記録した。この好調の要因として、従来型のエンタープライズワークロードに対するサポートの着実な拡大に加え、AIやコンテナ技術の「Kubernetes」といった先端機能におけるGoogleのイノベーション、幅広い顧客へのリーチを目指したパートナーエコシステムの拡大が挙げられる。

 Huawei Technologiesは2年連続で200%以上の売上高成長を達成したが、2021年はそれに比べると小幅な伸びとなった。それでも、市場平均を上回る56.3%増で42億ドルのIaaS売上高を計上し、5位の市場シェアを獲得した。過去2年間、自社のIaaSエコシステムに多額の投資を行っており、オープンハードウェア、オープンソフトウェア、パートナー支援の戦略を強化し、大学、開発者、スタートアップ(新興企業)向けのサービス拡充に成功している。

 「IaaSの成長の次のフェーズは、顧客エクスペリエンス、デジタル成果、バーチャルファーストの世界にけん引されるだろう。企業がメタバース、チャットbot、デジタルツインなどのサービスを、顧客にとって利用しやすく提供するための新しい技術を活用するには、コンピューティングやストレージのパワーの需要拡大に対応できるハイパースケールインフラが必要になるだろう」(ナグ氏)

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