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対象オブジェクトを参照する参照元エンティティの情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(143)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、対象オブジェクトを参照する参照元エンティティの情報を出力する方法について解説します。

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_sql_referencing_entities」における、対象オブジェクトを参照する参照元エンティティの情報を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)、「Azure SQL Database」「Azure SQL Managed Instance」です。

概要

 「sys.dm_sql_referencing_entities」動的管理関数では、パラメーターに対象とするオブジェクトを指定することで、そのオブジェクトを参照している別のユーザー定義オブジェクトの情報の一覧を出力できます。

 例えば、パラメーターとしてテーブルを引数とすることで、そのテーブルを参照するビューやストアドプロシージャ、ユーザー定義関数などの一覧を参照元エンティティとして出力できます。

構文と引数

構文 sys.dm_sql_referencing_entities ( '[schema_name.] referenced_entity_name','referenced_class' )

引数名 データ型 説明
[schema_name.]
referenced_entity_name
nvarchar(517) 参照先エンティティの名前
参照先クラスがPARTITION_FUNCTION以外の場合、schema_nameは必須
referenced_class nvarchar(60) 参照先エンティティのクラス
下記のいずれかの値
 OBJECT
 TYPE
 XML_SCHEMA_COLLECTION
 PARTITION_FUNCTION
1つのクラスのみ指定できる

出力内容

列名 データ型 説明
referencing_schema_name sysname 参照元エンティティが属しているスキーマ
データベースレベルおよびサーバレベルのDDLトリガーの場合はNULL
referencing_entity_name sysname 参照元エンティティの名前
referencing_id int 参照元エンティティのID
referencing_class tinyint 参照元エンティティのクラス
「1」=OBJECT
「12」=DATABASE_DDL_TRIGGER
「13」=SERVER_DDL_TRIGGER
referencing_class_desc nvarchar(60) 参照元エンティティのクラスの説明
is_caller_dependent bit 参照先エンティティが呼び出し元のスキーマに依存するため、参照先エンティティIDの解決が実行時に行われることを示す
「1」=参照元エンティティは、エンティティを参照する可能性がある。ただし、参照先エンティティIDの解決は呼び出し元に依存しているため、特定できない
「0」=参照先エンティティは呼び出し元に依存しない

動作例

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