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サーバ管理ツールが大型アップデート、「Windows Admin Center 2211」がリリース――仮想マシンの管理も容易にMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(185)

Microsoftは、2022年12月13日(米国時間)、「Windows Admin Center(WAC)」の最新のGA(Generally Available、一般提供)バージョン「WAC 2211」をリリースしました。今回のGAリリースは、多くの新機能追加や改善が行われています。前バージョンのWAC 2110.2(2022年4月27日リリース)のサポートはWAC 2211リリースの30日後に終了するため、利用中の場合は早めに更新してください。

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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

新機能満載のWAC 2211

 「Windows Admin Center(WAC)」は、Windows Server、Windowsクライアント、Windows ServerとMicrosoft Azureとのハイブリッド環境、そして2021年2月に正式リリースとなったハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Azure Stack HCI」のセットアップと構成、管理に対応したWebベースの管理ツールです。今回リリースされたのは、その最新バージョンであるWAC 2211(バージョン2211、ビルド1.4.2212.08003)です。

 「Windows 10」「Windows 11」、またはWindows Serverに新規インストールする場合は、以下のダウンロードリンクからインストーラーをダウンロードします。

 Windows 10やWindows 11にインストールする場合は「デスクトップモード」でインストールされ、ローカルの「Microsoft Edge」や「Google Chrome」ブラウザを使用してローカルPCおよび登録したリモートサーバやクラスタを管理できます。

 Windows Serverにインストールする場合は「ゲートウェイモード」としてインストールされます。ゲートウェイモードでは、原則としてリモートのブラウザから接続することになりますが、「Windows Server 2022」の「デスクトップエクスペリエンスインストール」の場合は、標準搭載されているMicrosoft Edgeを使用してローカル接続することが可能です。

 WACの前バージョンを既に導入済みで、自動更新を「有効(既定)」にしている場合は、新しいバージョンが利用可能になったことがWACのポータル画面に通知され、2週間後にアップデートがスケジュールされます。「設定|更新」を開くと、スケジュールを待たずに、すぐにインストールを開始できます(画面1)。

画面1
画面1 既にWACを導入済みの場合は、WACポータルを開くと、新しいバージョンが利用可能であることが通知され、インストールがスケジュールされる。すぐにインストールを開始することも可能

 WAC 2211は検索機能やズーム機能のサポートなど、管理ツールとしての操作性強化に加え、新しい「Azure Arc」対応ツールの追加、Azure Stack HCIクラスタの管理ツールとしての拡張、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)ツールのGA、「Windows Defenderアプリケーション制御(WDAG)」を利用したWACのセキュリティ強化(強制モード)の搭載など、数多くの新機能が実装されています(画面2)。

画面2
画面2 WAC 2211の「概要」ページ。WDACの強制モードを有効にするには、追加のマニュアル設定が必要

WAC for Azure VMもGA

 WAC 2211のGAのアナウンスでは、2022年11月に開催された「Microsoft Ignite 2022」で既に発表されていたことですが、Azureポータルに統合されたWACツールである「Windows Admin Center for Azure Virtual Machines(WAC for Azure VM)」のGAについても改めて発表されました。

 WAC for Azure VMは、Azure仮想マシン(Azure VM)の拡張機能(AdminCenter拡張機能)として提供され、Azure VMごとにインストールして、インストール先のAzure VMをAzureポータルに統合されたWACツールから管理できるようにするものです。

 WACはリモートデスクトップツールを備えているため、パブリックIPアドレスに対するRDP(リモートデスクトッププロトコル)接続を公開することなく、Azure VMのデスクトップに安全にアクセスできます(画面3)。オンプレミスで利用するWACはローカルPCと複数のリモートサーバおよびクラスタをリモート管理できますが、WAC for Azure VMは“インストール先のAzure VMの管理専用”であることに注意してください。

画面3
画面3 WAC for Azure VMを使用すると、Azureポータル内でAzure VMへのリモートデスクトップ接続が可能

 なお、WAC for Azure VMに接続するためには、仮想マシンのブレードを開き「設定|Windows Admin Center」(本稿執筆時点では表示から“プレビュー”が取れていませんが、既にGAしています)から拡張機能をインストールすることに加え、「アクセス制御(IAM)」を開いて、現在、Azureポータルにサインインしているユーザーに「Windows Admin Center Administrator Login」ロールを割り当てる必要があります(画面4)。このロールは、サブスクリプション管理者にも既定では割り当てられていないため、明示的に割り当てる必要があります。

画面4
画面4 WAC for Azure VMに接続するためには、「Windows Admin Center Administrator Login」ロールの割り当てが必要

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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