未経験者に「プログラミング言語」は求めない 調査で分かった企業が期待するスキルとは:パーソルキャリアがITエンジニア職未経験、微経験者の転職について調査
パーソルキャリアは、「doda ビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査」の結果を発表した。それによるとITエンジニア職「未経験歓迎」求人の割合は2年前(2021年1月)に比べて約3.0倍に伸びていることが分かった。
パーソルキャリアは2023年3月1日、同社が運営する転職サービス「doda」で実施した「doda ビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査」の結果を発表した。この調査は、転職を検討しているか興味があるITエンジニア職未経験者、微経験者と現職以前にITエンジニア職経験がある人を対象に実施した。
調査結果によるとdodaの転職求人倍率は、全職種の約2.3倍に対してITエンジニア職は約11.2倍で、ITエンジニア職の需給バランスに偏りがみられるという。その一方で、ITエンジニア職「未経験歓迎」求人の割合が、2023年1月は2年前(2021年1月)の約3.0倍に伸びていた。
IT“以外”の能力を重視
企業の採用方針を見ると「実務経験者の採用」が最も多く、84.0%(複数回答、以下同)。「微経験者の採用」は52.0%で、「未経験者の採用」は16.0%と、未経験者や微経験者にも採用が広がっていることが明らかになった。
実務経験者以外(未経験者または微経験者)を採用している企業に、採用時に重視することについて聞くと「他社での経験値」「IT以外に秀でた能力や実績」「自己改善に意欲的な姿」といった意見が挙がり、パーソルキャリアは「前職で身に付けた知見や経験を、ITと絡めた課題解決に結び付けたいという企業の期待がある」と分析している。
実務経験者以外に「従事したい業務」を聞くと最も多かったのは「Webエンジニア」(未経験者の27.4%、微経験者の36.6%)だった。一方、企業の採用実績では「社内SE」(未経験者の16.1%、微経験者の36.3%)が最も多かった。パーソルキャリアは「社内SEは主に自社の課題解決を目的にシステムの導入や改修、運用を担当しており、ビジネスへの理解力が重要となるため、ITスキルや実務経験が浅い対象者でも活躍しやすい傾向にある」と分析している。
求められている(と考えている)スキルと欲しいスキルにギャップ
未経験者や微経験者が企業に求められていると考えているスキルと、企業が期待しているスキルとの間には、ずれが生じていることが明らかになった。未経験者や微経験者が考えているスキルのトップ3は「現在トレンドなプログラミング言語、フレームワークの習得」(未経験者の24.7%、微経験者の16.9%)、「ビッグデータ処理や機械学習などのBIツール関連の技術」(未経験者の19.2%、微経験者の16.9%)、「ブロックチェーンやスマートコントラクトなどWeb3関連の技術」(未経験者の13.7%、微経験者の16.9%)だった。これに対して企業が期待するスキルは「コミュ二ケーションスキルの向上」(25.0%)がトップ。次いで、「ビッグデータ処理や機械学習などのBI(ビジネスインテリジェンス)ツール関連の技術」(19.0%)、「マネジメントスキルの向上」(16.0%)が続いた。
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