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モデリング言語「TLA+」の開発、普及を促進する非営利団体を設立:Linux Foundation実務者コミュニティーの構築、発展も後押し

Linux Foundationは、非営利団体「TLA+ Foundation」の設立を発表した。TLA+ Foundationは、モデリング言語「TLA+」の開発と普及や、TLA+を利用する実務者コミュニティーの構築と発展を促進することを目的としている。

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 オープンソースソフトウェア(OSS)を通じたイノベーション促進を目指す非営利団体Linux Foundationは2023年4月21日(米国時間)、非営利団体「TLA+ Foundation」の設立を発表した。

 TLA+ Foundationは、モデリング言語「TLA+」の開発と普及や、TLA+を利用する実務者コミュニティーの発展を促進することを目的としている。設立メンバーは、Amazon Web Services(AWS)、Oracle、Microsoftだ。

 TLA+は、プログラムやシステム(特に、並行型、分散型の)をモデリングするための高水準言語だ。企業で複雑なソフトウェアシステムを検証し、エラーを減らして信頼性を高めるために使用され、成功を収めている。開発プロセスの早い段階で設計上の欠陥を検出し、時間とリソースを節約するのに役立つ。

 TLA+とそのツールは、基本的な設計ミスを排除するのに有効だ。こうしたミスは見つけるのが難しく、コードの修正コストが高くつく。TLA+のベースにある考え方は、「物事を正確に記述する最良の方法は、単純な数学を用いること」というものだ。

 TLA+は数十年前に、先駆的なコンピュータ科学者であるレスリー・ランポート氏(現在はMicrosoft Researchのディスティングイッシュトサイエンティスト)によって発明された。同氏が長年にわたって管理し、Microsoftがサポートしてきた。

 「TLA+ Foundationの設立は、ソフトウェア業界全体の利益のために、TLA+言語の使用と開発を促進することへのコミットメントを示している」と、Linux Foundationのエグゼクティブディレクター、ジム・ゼムリン氏は述べている。「世界的に分散システムへの依存度が高まる中、開発者がTLA+の機能を利用して、システムを形式的にモデリングし、意図された通りに動作することを検証することが重要になっている」

 TLA+ Foundationは、TLA+の普及を促進し、教育とトレーニングリソースを提供し、研究に資金を提供し、ツールを開発し、TLA+を利用する実務者のコミュニティーを育成していく。

 TLA+ Foundationの言語委員会としての役割は、TLA+言語の継続的な改良と進化を保証することにある。TLA+ Foundationは、言語の拡張に関する決定を行い、ユーザーのフィードバックやニーズに対応し、高い安全性と信頼性の基準を維持し、ユーザーベースにより良いサービスを提供するように言語の進化を導く。

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