「Docker Desktop 4.18」公開 コンテナ内のファイルを確認、編集できるUI追加:SBOM証明を利用したコンテナイメージ構築も可能に
Dockerは、「Docker Desktop 4.18」を公開した。
Dockerは2023年4月5日(米国時間)、Docker開発環境をさまざまなOS上に構築できるDocker Desktopの最新版「Docker Desktop 4.18」を公開した。
Docker Desktop 4.18では、Docker Desktop 4.17で追加されたコンテナイメージスキャン機能である「Docker Scout」の新機能や、コンテナ内のファイルを確認したり、編集したりできる「コンテナファイルエクスプローラー」が追加、公開されている。
Docker Desktop 4.18の主な変更点
「Docker Scout」のコマンドを追加
Docker Desktop 4.17で導入されたDocker Scoutに、以下のコマンドや機能がプレビューとして追加された。
- 新たに作成するコンテナイメージの脆弱(ぜいじゃく)性チェックができる「docker scout quickview」コマンドを追加
- イメージの更新に関する推奨事項や、イメージサイズを削減する方法などをリスト形式で表示する「docker scout recommendations」コマンドを追加
- BuildkitのProvenance(来歴)およびSBOM(ソフトウェア部品表)attestations(証明)の情報をもとにコンテナイメージを作成できる機能を追加
コンテナイメージの比較
パッケージのバージョン、コンテナイメージごとの環境変数を比較できるようになった。出力結果はマークダウン形式にすることもできる。この情報はGitHub Actionsを利用する際に、プルリクエストの差分プレビューとして使用することも可能だ。
「コンテナファイルエクスプローラー」の一般提供を開始
コンテナファイルエクスプローラーの一般提供が開始された。これにより、Docker DesktopのUIを通じて、コンテナ内のファイルを確認したり、編集したりできる。
コンテナファイルエクスプローラーのUIで提供される機能は、次の通り。
- コンテナ内のファイルシステムを確認できる
- ホストとコンテナ間でファイルとフォルダをコピーできる
- ファイルをコンテナにドラッグアンドドロップできる
- シンタックスハイライトで素早くファイルを編集できる
- ファイルを削除できる
macOSで管理者不要でインストールが可能に
macOSにて、開発者が管理者権限を付与せずにDocker Desktopをインストールできるよう、macOSのインストールフローを改善した。
「Docker init」(β版)コマンドを追加
新たに「Docker init」コマンドが追加された。.Dockerfile、.docker-compose.yml、.dockerignoreといったイメージ作成に必要なファイル群を自動生成することでプロジェクトにDockerを素早く追加できるとしている。
β版では、Go言語をサポートしており、今後数カ月以内にNode.js、Python、Java、Rust、.NETなどの言語やフレームワークのサポートに加え、新たな機能の追加を予定しているという。
ファイルモニタリングによる更新機能を実験的機能として追加
全てのサービスコンテナを自動的に最新の状態に保つ実験的機能として「Docker Compose File Watch」が追加された。プロジェクト内のファイル編集をモニタリングすることで、「.web/App.jsx」に変更を加えると、自動的にコンテナ内の「src/web/App.jsx」に変更内容を同期したり、package.jsonに変更を加えると、package.jsonの変更内容を検知して、バージョンをリプレースしたりする。
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