日本のエンジニアは信じられないくらい細部にこだわる だがそれがいい:Go AbekawaのGo Global!〜Julian Garthwaite(後)(1/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もセキュリティエンジニアのJulian Garthwaite(ジュリアン・ガースウェイト)さんにお話を伺う。同氏が日本のエンジニアに感じる“美点”とは何か。
国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回も前回に引き続き、セキュリティエンジニアのJulian Garthwaite(ジュリアン・ガースウェイト)さんにお話を伺った。セキュリティ業界で技術者としても、マネジャーとしても活躍する同氏が勧める「スキルの身に付け方」とは。
聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
最新技術はポッドキャストで
阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) ジュリアンさんは現在、Woven Planet Holdings(2023年4月にWoven by Toyotaに名称変更。以下、Woven)のお仕事に携わっていますね。
Julian Garthwaite(ジュリアン・ガースウェイト、以降ジュリアンさん) Wovenは、シリコンバレーの企業に近いカルチャーを持っています。Wovenでは、スマートシティーに関する技術やセルフドライビング(自動運転)などの仕事が統合されています。これらの要素技術は大抵がシリコンバレー発祥で、それぞれが同期しながら進んで最終的には自動車を楽しもうと
いうところに行き着くのだと考えています。
私たちの試算では、2030年までに世界には2000万台以上のトヨタの車が走っています。つまり、安全に車が走行するという責任の一端は当社にあると考えています。だからこそ、次の世代のオートモービルを考えることは私たちの大切な仕事です。それはとてもエキサイティングなことです。従来は自動車企業といわれていたトヨタですが、卓越した技術を持っていて、IT企業として世界の先頭を走っていると思います。
阿部川 世界の先頭を走るということですが、技術の進化のスピードは速く、日進月歩ならぬ“秒進分歩”といった状態です。そんな中でジュリアンさんは、仕事をしながらどうやってスキルを上げていますか。
ジュリアンさん まずは「ポッドキャスト」が大きいですね。グローバルでトップ3といわれるポッドキャストは全て聞いていますし、ニュージーランドのものも聞いています。技術的に深掘りしていたり、新しい技術を短く簡単にダイジェストで解説したりしてくれるので分かりやすいんですよ。
このインタビューの後、技術系のポッドキャストを聞き始めました。これまで何となく距離を取っていましたが、思っていたよりも聞きやすく、ためになる感じで習慣化しました。「スキル習得」というと構えてしまいますが、ポッドキャストのように「日常的に情報を吸収する習慣」を付けるところから始めるのも良さそうですね。
後は「GimiCom」など「業界のイベント」にも参加しています。後はTwitterとか一般的なニュースなどでしょうか。ああ、数カ月に一度は「テクニカルスキルのトレーニングコース」も受講していますね。「Google Workspace」とか「Microsoft Azure」とか、クラウドベースで開催されています。多くのメンバーから質問されるので論理的に答えなければいけません。
エンジニアはスプレッドシートを見ているだけでできる仕事ではありません。問題の本質を見抜く力が必要です。ですから、その能力をいつも磨くようにしていますし、マネジャーとしても有能でいたいと思っています。
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