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ローコード開発ツールから最大限の成果を引き出す「7つのベストプラクティス」、ガートナーが提言関連支出は2026年までに445億ドルに達する

ガートナージャパンは、ローコード開発ツールの採用を成功させるために実践すべきベストプラクティスを発表した。同社は「企業は解決すべきビジネス課題の達成に向けて、ベストプラクティスを確実に実行すべきだ」としている。

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 ガートナージャパンは2023年6月13日、ローコード開発ツール(Low Code Application Platform:LCAP)の採用を成功させるために実践すべきベストプラクティスを発表した。

実践すべき7つのベストプラクティス

 ローコード開発技術への関心は高まっており、Gartnerは同技術に関する全世界の支出が2026年までに445億ドルに拡大すると予測している。ガートナージャパンの飯島公彦氏(シニアディレクター、アナリスト)は、「業務やIT上の課題を解決するために多くの企業が検討し、導入が進んでいる一方で、ツールの誤用や過剰使用、セキュリティリスクの増大、アプリ開発のスキル不足、アプリケーションの無秩序な増加などさまざまな問題点が指摘されている」と述べている。

 ガートナージャパンが発表した、ローコード開発ツールの採用を成功させるために実践すべきベストプラクティスは、以下の7項目。

  • LCAPの利用戦略を策定する
  • 試験運用や概念実証(PoC)でLCAPを評価する
  • LCAP支援チームを設置し、市民開発者をサポートする
  • 適応型ガバナンスフレームワークを適用する
  • アプリケーションのオーナーシップを適切に設定する
  • 実践コミュニティー(CoP:Communities of Practice)を利用して、エンゲージメントを生み出し、スケール感のあるサポートを提供する
  • スキルの育成や維持のために適切な時間を設ける

 例えば、市民開発者のサポートについては、LCAP支援チームによる技術面でのサポートを提供することで「市民開発者が早い段階から成功体験を積み重ねることが可能になる」としている。その結果、市民開発者にとって使いやすいLCAPや開発、デリバリー環境を構築でき、それがさらなるLCAPの利用促進につながるという。「適応型ガバナンスフレームワーク」とはガートナージャパンによると「IT部門とユーザー部門の役割分担や、ガバナンスの在り方を最適化し、可視化すること」を指す。

 耳慣れないのは「CoP」だ。これは、企業、組織の枠組みを超えた知識やノウハウを共有し合う団体、またはその仕組みのこと。ガートナージャパンは「市民開発者自身が、ローコード開発のプラクティスを提供、共有し、相互扶助を行うCoPを積極的に構築、運営していくことで、LCAPを利用しやすい環境や文化を醸成できる」としている。

 飯島氏は「企業は、包括的なローコード開発プラクティスを実装し、サポートしない限り、生産性の向上やリソース不足の緩和といったローコード技術のメリットを完全に享受できない。LCAPの採用を成功させるためには、LCAPの利用戦略を策定し、社内に正しく伝えていくことが重要で、こうした取り組みには、企業の経営陣や上層部の理解と支持が不可欠だ。解決すべきビジネス課題や実現したいビジネス目標の達成に向けて、LCAPから最大限の成果を引き出せるよう、7つのベストプラクティスを確実に実行すべきだ」と述べている。

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