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「人材不足を解消する」「クラウド移行を加速させる」は本当? ノークリサーチがローコード/ノーコードの“定説”を検証思い込みは厳禁

ノークリサーチは、中堅中小企業に向けたRPAとローコード/ノーコード開発ツールに関する3つの定説を検証した。同社は「RPAやローコード/ノーコード開発ツールで多く見られる定説については慎重であるべき」としている。

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 ノークリサーチは2023年4月17日、「RPA」(Robotic Process Automation)とローコード/ノーコード開発ツールについてよく挙げられる「3つの定説」について検証し、その結果を発表した。同社は「RPAやローコード/ノーコード開発ツールで多く見られる定説については慎重であるべき」としている。

ローコード/ノーコード開発ツールはクラウド移行を加速させる?

 ノークリサーチは「RPAやローコード/ノーコード開発ツールは、従来の業務システムでは対応が難しかった『手作業による業務の効率化』や『ユーザー企業が個別要件に対応する手段』として、中堅中小市場では今後重要な役割を担う」としており、これらのツールの定説として、次の3つを挙げる。

定説1:RPAによる自動化は人材不足を補う手段として提案するのが最も効果的

定説2:ローコード/ノーコード開発ツールによってユーザー企業での内製が増加する

定説3:RPAやローコード/ノーコード開発ツールはクラウド移行を加速させる役割を担う


 これらの定説を検証するに当たってノークリサーチは、RPAやローコード/ノーコード開発ツールの導入状況を調べた。

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RPAとローコード/ノーコード開発ツールの導入状況(提供:ノークリサーチ

 RPAについて「導入済み」と回答した中堅中小企業の割合は34.7%、「導入予定」は21.5%。ローコード/ノーコード開発ツールについては、「導入済み」が10.7%、「導入予定」が20.3%だった。

定説1:自動化は人材不足を補う手段?

 RPA活用の基本方針を、RPAを導入済みの企業と導入予定の企業に分けて集計すると、「ヒトによるミスを減らすことを目的としてRPAを適用する」と回答した企業の割合は導入済みが11.3%、導入予定が17.9%だった。「働き方改革に対応する手段としてRPAを適用する」と回答した企業の割合は導入済みが6.7%、導入予定が14.3%。「人手不足や人口減少の対策としてRPAを適用する」と回答した企業の割合は導入済みが8.2%、導入予定が13.3%だった。

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RPAの活用方針(提供:ノークリサーチ

 人手不足解消や働き方改革を目的としたRPA適用の割合は、導入済み企業よりも導入予定企業の方が高いことから、ノークリサーチは「定説1は基本的に正しい」としている。ただし、導入予定企業では「ヒトによるミスを減らす目的としてRPAを適用する」と回答した割合が高いため、「『ヒトによるミスを減らし、従業員の生産性を高める(その結果として人材不足の軽減にも寄与する)』といった表現の方が堅実だ」と指摘している。

定説2:ローコード/ノーコード開発ツールで内製化が進む?

 定説2の検証は、ローコード/ノーコード開発ツールのメリットについて調査した結果を参考にしている。

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ローコード/ノーコード開発ツールのメリットについて(提供:ノークリサーチ

 導入予定の企業については「ユーザーがアプリケーションを作成できる」よりも「ユーザーの要求仕様を自由に反映できる」「ユーザーの都合に合わせて改変できる」といった項目の方が高い値となっている。このことから、ノークリサーチは「販社やSIer(システムインテグレーター)が同ツールを活用することで、自由度が高く改変も容易な業務システム構築が可能になることを期待している」と分析している。

定説3:RPAやローコード/ノーコード開発ツールはクラウド移行を加速させる?

 定説3の検証については、「サーバ導入/更新や管理/運用の方針」の調査結果を参考にしている。

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サーバ導入/更新や管理/運用の方針(提供:ノークリサーチ

 「クラウドの利点を生かしたシステム構築を進める」「オンプレミスとクラウドは今後も併用する」との回答が多く、「クラウド移行と共にシステムの内製を増やす」「業務の自動化が進めばクラウド移行も加速する」といったRPAやローコード/ノーコード開発ツールが関連する回答については比較的低い結果となっている。このことからノークリサーチは「これらのツールがクラウド移行を加速させる要因となる可能性は低い」とみている。

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