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「左様でございます」 チャレンジだけが成長の種になるGo AbekawaのGo Global!〜Dolf Marvin(後)(2/3 ページ)

グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。前回同様、エルテスでデータ分析エンジニアとして働くDolf Marvin(ドルフ・マルビン)さんにお話を伺う。なぜマルビンさんは「左様でございます」「ご存じの通り」など丁寧な日本語を好むのか。その理由は、スイスになくて日本にはある、言葉の仕組みだった?

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スイスには丁寧語がない?

編集 鈴木 マルビンさんは「左様でございます」など丁寧な言葉が多くてびっくりしているんですけど、そういう丁寧な言葉ってどのように勉強されたんですか。

マルビンさん 丁寧語などの勉強は(現在在籍している)エルテスに入る前にビジネス日本語専用の講座を半年間受けまして、その中で習得させていただきました。2020年ぐらいの話でしょうか。敬語などは外国人にとって、習得にとっても時間がかかります。話す機会がないと間違っていたりしますし。今、仕事でお客さま向けに説明会も実施させていただいておりますので、そういった背景もありましてですね。最近は割と簡単に丁寧な言葉遣いで説明できるようにはなりました

編集 鈴木 言葉のチョイスも丁寧ですし、説明を受けている会社の方々も、外国人の顔した日本人だって思っているんじゃないでしょうかね。

マルビンさん とんでもございません(と照れる)。

阿部川 最近は日本人でもこれだけ丁寧には話せないですよね。「やらせていただいております」は、なかなか出ませんよ。私も「やってます」みたいな味もそっけもない日本語ばっかりになっています。

マルビンさん スイスは、そもそもそういった形態の言語がございませんので、人を尊敬できる言語として、日本語をとっても好きになりました。もちろん尊敬自体はしますが、言葉に落とすとこまではない気がします。「そうだ」と「そうです」といったレベルの違いもなく、“君”を“あなた”に変えるぐらいのレベルです。正直に言いますと、妻(日本の方だそうです)のおかげでもございます。間違ったときも正直に話してくれますし。

阿部川 それは何よりですね。

どうせなら一気通貫で面倒みたい

阿部川 エルテスに入社されたのはいつですか。

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阿部川 “Go”久広

マルビンさん インターンシップでもお世話になっていたので、実質2回入社した気持ちです。最初は2020年1月で、その年の4月に正社員になりました。今年(2023年)で3年目になります。当時、データ分析ができる仕事を探していまして。自身の成長が最も望ましいので、1から全部やらせてもらえるような会社を選ばせていただきました。

 分析だけを専門とする企業も多いのですが、エルテスはデータ収集から分析、お客さまへの報告までが一連のフローになっています。報告が終わるまで、追加調査とか提案とか総合的な対応が必要なので、そういった全部やらせてもらえる仕事がちょうどエルテスにございまして、応募させていただきました。

阿部川 いいですね、データの集めたところから分析して提案して、結果どうなったかっていうところまで。よく一気通貫という言い方をしますが、全部自分でやれるところが良かったのですね。

マルビンさん 左様でございます。社風も素晴らしくて、成長できる職場となっていて。毎年、自分の成長を実感できております。

阿部川 成長している実感があるのは素晴らしいです。コロナ禍で仕事の仕方は変わりましたか。

マルビンさん セキュリティ業界ですので、お客さまのデータを閲覧、調査する必要があります。ただ在宅でそれをする権利は基本的にはございません。そのため、(そういった作業をするときには)出社しております。ただし、問い合わせなどお客さま対応についてはオンライン形式で実施します。コロナ禍前は対面での対応も多かったようですけれども、私が入社してからは、ほぼほぼオンライン形式に切り替わりました。

阿部川 なるほど。では視点を未来に向けて、例えば10年後にどのようなことを実現したいと思いますか。

マルビンさん できれば、自分で新しいまだこの世にないデータ分析サービスを開発したいです。今は、既にあるサービスに付加価値を付けて提供しているわけですけれども、1から新しいものを作って、そのサービスを基にですね、たくさんの方のためになるようなものを作りたいという思いはございます。そのためには、今できないことを挑戦しようと思っています。挑戦をし続けることで新しい知識や新しい発想が身に付くと思います。ひたすらにですね、逃げないことが重要でございます。

 エルテスでもお客さまのニーズに合致した全く新しいカスタマイズサービスの開発を進めておりまして、それに少しだけですが、手伝わせていただいております。そういったプロジェクトをたくさんやっていくうちに、自分の新しいサービスも作れればいいな、という風には考えております。

編集 中村 当初は人事の方面に興味があって、その後データ分析そのものに引かれたということだったとのことでしたが、最近では人事の分野でもデータ分析が活発ですよね。タレントマネジメントとかピープルアナリティクスとか。そちらの方面の技術には興味がありますか。

マルビンさん はい、とても興味あります! エルテスでも一部関連するサービスがございまして。在宅の社会になってからは「従業員が家で何をしているのかを知りたい」という企業がたくさんいらっしゃいます。実際に業務がどのくらいきちんと実施されているか、従業員が不具合を感じていないかなどについてもエルテスで検知可能です。そういったところで人事面での仕事がございます。


編集中村
編集 中村

 自分のやりたいことをずっと追い続けることは大切です。ただその道のりは一つだけではないと思うんですよね。「全ての道はローマに通ず」といった言葉があるように、やりたいと思う気持ちを持ち続け勉強を続けることが重要です。マルビンさんの場合は「人を助けたい」という思いを変わらず持っていたので、人事そのものに携わるタイミングは人事だけを目指している人よりは遅かったかもしれないけれど、その分、「人事の業務に携わることができるデータ分析者」になれたのだと思います。


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