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「Ultra Ethernet Consortium」設立 AMD、Cisco、Intel、HPE、Microsoftらは何を目指すのかLinux Foundationが発表

Linux Foundationは、クラウドサービスや半導体、システムプロバイダーなど各業界をリードする企業らが「Ultra Ethernet Consortium」を設立すると発表した。

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 Linux Foundationは2023年7月19日(米国時間)、「Ultra Ethernet Consortium」(UEC)を設立すると発表した。UECはLinux Foundationが主催するJoint Development Foundationプロジェクトであり、業界のリーダー企業が結集して設立されている。

 UECの設立メンバーにはAMD、Arista Networks、Broadcom、Cisco、Eviden(Atos Business)、Hewlett Packard Enterprise、Intel、Meta、Microsoftが名を連ねている。各社はネットワークやAI(人工知能)、クラウド、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野で数十年の実績があり、エコシステムに大きく貢献している企業だ。

 UECの議長であるJ・メッツ博士は「これはイーサネットを根本から見直す取り組みではない。物理レイヤーからソフトウェアレイヤーまでのあらゆるレイヤーを見て、効率と性能をスケールアップする最善の方法を探している」と述べている。

要求の厳しいワークロードへの対応を目指す

 UECは、イーサネットの相互運用性を維持、促進しながら、通信スタックの変更を最小限に抑えることに取り組むという。技術的な目標は仕様や以下のようなAPI、ソースコードを開発し、定義することだ。

  • イーサネット通信のプロトコル、電気および光信号特性、APIやデータ構造
  • 既存のリンク/トランスポートプロトコルを拡張したり置き換えたりするためのリンクレベルおよびエンドツーエンドのネットワークトランスポートプロトコル
  • リンクレベルおよびエンドツーエンドの輻輳(ふくそう)、テレメトリーおよびシグナリングメカニズム(人工知能、機械学習および高性能コンピューティング環境に適した技術)
  • さまざまなワークロードや動作環境を容易にするためのソフトウェアやストレージ、管理、セキュリティの構築

 UECはモジュール化された互換性のある相互運用可能なレイヤーを用い、緊密に統合することで、要求の厳しいワークロードに対して全体的な改善を提供する体系的なアプローチをとる。設立企業は、物理レイヤー、リンクレイヤー、トランスポートレイヤー、ソフトウェアレイヤーからなる4つのワーキンググループに分かれて活動するという。

 創設メンバーであるAMDのロバート・ホルムート氏とAtosグループのエリック・エッペ氏は次のように述べている。

 「AIトレーニングや機械学習、HPCシミュレーションやモデリングなど、高度に計算集約的なワークロードには、相互運用性を最優先とした拡張性とコスト効率の高い業界全体のソリューションが必要だ。最新のデータセンターワークロードの進化するニーズに対応するオープンなイーサネットベースアーキテクチャを構築するため、オープンな業界標準をサポートしてきた長い歴史を継続できることを誇りに思う」(ロバート・ホルムート氏)

 「HPC市場は高速インターコネクトを開発する上で重要な原動力となってきた。AIや機械学習、ディープラーニングを多用する大規模なワークロードにより、市場は相互運用性、コスト効率、真の高性能を包含する新しい規格の策定に向けて収束しつつある。AtosはEviden事業を通じて、現場で実証済みのHPCとAIの専門知識を提供し、グループの第3世代高速インターコネクトであるBXIインターコネクト技術を活用する。UECが市場のニーズと要件を満たす強力な結果をもたらすと確信している」(エリック・エッペ氏)

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