働くなら「厳しくても成長できる企業」か「ストレスはないが成長に時間がかかる企業」か リクルート:「人間関係はウェットでOK」
リクルートは、2024年3月卒業予定の大学4年生と大学院2年生を対象に実施した就職活動に関する調査の結果を発表した。それによると、安定指向が高く、個人よりチームでの活動を重視することが分かった。
リクルートの研究機関である就職みらい研究所は2023年8月23日、2024年3月卒業予定の大学4年生と大学院2年生を対象に実施した就職活動に関する調査の結果を発表した。それによると「歴史や伝統があり、安定した確実な事業成長を目指している企業」で働きたいという意見が多かった。
なおこの調査は、企業に関する5つの特徴(経営スタイル、貢献と報酬の関係、成長スタイル、ワークスタイル、コミュニケーションスタイル)について、安定している/チャレンジしているなどの対立意見を挙げ、自身の考えに近い方を選んでもらう方式で行われた。
「会社のノウハウで汎用的なスキルを身に付けたい」
経営スタイルについて見ると、保守的な企業の支持が高かった。設問内容としては「歴史や伝統があるか新しいか」「安定指向かチャレンジ指向か」「意思決定で重視するのは正確性か迅速性か」「顧客の層は広いか深いか」など。いずれも保守的な方を選ぶ人の割合が高かった。
貢献と報酬の関係については安定性を重視する傾向があるものの、経営スタイルに比べると評価が分かれている。「実力主義か、平等主義か」という設問については安定指向の回答がやや多かったが、前者が45.8%、後者が54.8%と大きな差はなかった。「評価によって給与が大きく変動した方がいいかどうか」「支援制度はないが給与は高い、支援制度はあるが給与は低い」という設問については、安定指向(評価で給与が変動しない、支援制度がある)を選択した割合が高かった。「賃金体系は年功序列型か、勤続年数では変動しない(初任給から高いが、変動しない)型か」については7割が「最初から高い方がいい」を選択した。
成長スタイルについては無理なく汎用(はんよう)的なスキルを身に付けたいといった回答が多かった。「会社のノウハウを学ぶか独力で学ぶか」「どの会社でも役立つ汎用的なスキルを身に付けるか、その会社独自のスキルを見に付けるか」については前者が多かった。「ストレスはかかるが短期的に成長できる環境か、ストレスはないが成長に時間がかかる環境か」では後者が多かった。また、「周囲に優秀な人材が多いか、自分が優秀な人材として活躍するか」については前者が多かった。
ワークスタイルについては、多少厳しくても規則がある方を好む回答が多かった。「きれいだが規律が求められるオフィスか、各人の裁量に任されているオフィスか」では前者が多かった。「組織の目的や目標に向けてチームで働くか、個人の裁量で働くか」についても前者の支持率が高い。
コミュニケーションスタイルについては、「ウェットな人間関係で、プライベートも仲が良い」「コミュニケーションが密で、一体感を求められる」といったより深い関係性を好む傾向がみえた。
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