2027年度の市場規模は340億円 ITRが画像認識市場の予測を発表:部品検品からマーケティング用途まで
ITRは、国内画像認識市場の規模の推移と予測を発表した。2022年度の国内画像認識市場の売上金額は、対前年度比32.9%増の93億円。2022〜2027年度の年平均成長率を29.6%と見込み、2027年度の市場規模は340億円に達すると予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は2023年8月29日、国内画像認識市場の規模の推移と予測を発表した。
「各種用途で求められる機能の拡張と高度化が進む」
画像認識市場は検品などの製造現場、防災や施設老朽化の検査などの社会インフラ、防犯、セキュリティの用途が高い割合を占めているが、近年では店舗での顧客分析や動線分析などのマーケティング用途でも利用が増えているという。
2022年度の国内画像認識市場の売上金額は、対2021年度比で32.9ポイント増の93億円。ITRは「医療分野への応用や自動運転関連、セキュリティ監視など、さまざまな産業や分野で画像認識の活用が進んでおり、高い伸びを示した」と分析している。2023年度も同様の傾向が続いており、同社は対2022年度比で33.3ポイントの増加を見込んでいる。
同社は「国内画像認識市場は拡大傾向にある」とみており、同市場の2022〜2027年度の年平均成長率(CAGR)を29.6%と見込み、2027年度の市場規模は340億円に達すると予測している。
ITRの三浦竜樹氏(プリンシパルアナリスト)は、「この市場は、多様な用途を包括してカバーするAI(人工知能)ベンダーと、用途に特化した特徴を持つ画像認識ベンダーが混在しており、用途ごとに上位ベンダーの顔触れが異なる。今後も画像認識技術は、マーケティング用途でのプライバシー保護などのように、各種用途で求められる機能の拡張と高度化が進む」と予測している。
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