ラッピングの切れ端から、サンタクロースの正体を知った:Go AbekawaのGo Global!〜Jon Kiefer Yap(前)(3/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はソフトウェアエンジニアのJon Kiefer Yap(ジョン・ヤップ・キーファー)さんにお話を伺う。両親の影響で子どものころから違和感なく勉強に打ち込んできたヤップさんが、日本の大学の交換留学生に応募した理由とは。
大学進学と日本への留学
阿部川 その後、フィリピン大学のコンピュータサイエンス学部に入学します。2年生のときには明治学院大学に交換留学されていますね。交換留学生になろうと思ったのはなぜでしょうか。
ヤップさん 高校のころからずっと、日本に興味がありました。日本の漫画やアニメなどのソフトパワーがすごく良くて、興味を持ちました。留学すればもっと日本語と日本文化を勉強できると思ったのです。
阿部川 ポケモンやドラえもんの絵を描いていたというお話がありましたね。そういうアニメや漫画が最初の出会いだったのでしょうね。そして、それを作った国に行ってみたいと。でも、その時まだ日本語は全然勉強したことなかったのですよね。
ヤップさん そうですね、日本語力は「ほぼゼロ」でした。でもがんばって勉強しようと決意しました。
阿部川 留学期間は約1年ですね。印象に残っている出来事はありますか。
ヤップさん 茶道の授業で初めて正座を体験したことですね(笑)。後はたくさんの友達ができたこと。今でもたまに連絡を取り合っています。
阿部川 留学を終えてフィリピン大学に復学します。大学で特に力を入れたものは何でしたか。
ヤップさん 大学のシステム部門でのインターンですね。1年生のときに先生から紹介してもらったんです。
阿部川 勉強しながら実際に開発をされていたのですね。すごいですね。どういうことをやったのですか。
ヤップさん 最初は、教員のスケジュール管理システムの開発に携わりました。システム自体はほぼ完成していたので、新しい機能の開発と、デバッグ修正などの仕事をしていました。
阿部川もインタビュー中に話していたのですが、在学中にその学校のシステム開発に携わるってすごく良い体験ですよね。自分にばっちり関係あるシステムだし、クライアント(大学)もよく知っている。失敗してもフォローしてもらいやすいし、何より職場が近い(笑)。日本の学校でも取り入れたらいい制度なのでは、と思いました。
阿部川 それまでは管理する仕組みがなかったということですよね。それは喜ばれでしょう。
ヤップさん 自分が開発したものが、学生や先生方に使われていて、とてもやりがいのある仕事だと思いました。
教育熱心な両親のおかげもあり、難関の高校にも無事入学。大学でもいち早く開発の経験を積み、そして念願の来日も果たした。しかしそこで待っていたのは、他のことが手に付かないほどのハードワークだった。後編は日本での仕事について伺う。
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