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ソフトウェア開発責任者なら知っておきたい3つのテクノロジートレンドとは? Gartner「デベロッパーエクスペリエンス」「プラットフォームエンジニアリング」など

Gartnerは2023年以降のソフトウェアエンジニアリングにおける3つの戦略的テクノロジートレンドを発表した。

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 Gartnerは2023年9月14日(英国時間)、ロンドンで開催されたGartner Application Innovation & Business Solutions Summitで、2023年以降のソフトウェアエンジニアリングにおける戦略的テクノロジートレンドを発表した。

 Gartnerのアナリストでバイスプレジデントのヨアヒム・ハーシュマン氏は「ソフトウェアエンジニアリングのリーダーは、最新のアーキテクチャとテクノロジーを採用しなければならないというプレッシャーにさらされている。実行可能な計画期間内でデジタルビジネスへの取り組みに、どのトレンドが潜在的に最大の影響を与えるかを知る必要がある。今後2〜3年間にわたって、ソフトウェアエンジニアリングのリーダーが指針とすべきアプローチとテクノロジーを、Gartnerのトップトレンドは示している」と述べている。

 Gartnerが発表した戦略的テクノロジートレンドのトップトレンドは次の3カテゴリーに分類される。

  • デベロッパーイネーブルメント
  • AI拡張ソフトウェアエンジニアリング
  • ソフトウェア開発のスケーリング
ソフトウェアエンジニアリングの戦略的テクノロジーのトップトレンド(提供: Gartner)
Gartnerによるソフトウェアエンジニアリングの戦略的テクノロジーのトップトレンド(提供: Gartner)

デベロッパーイネーブルメント

 デベロッパーイネーブルメントは開発者チームが潜在能力を最大限に発揮できるようにするためのトレンドをまとめたもので、インナーソースとデベロッパーエクスペリエンスの2つがある。

インナーソース

 インナーソースはオープンソースの原則をプロプライエタリなソフトウェア開発に適用し、組織内の協力とソフトウェア品質向上をサポートする。

デベロッパーエクスペリエンス

 デベロッパーエクスペリエンスは、開発者とその作業環境との関係や相互作用を向上させ、デジタルプロジェクトの成功に貢献する。

 Gartnerは、デベロッパーエクスペリエンスが開発者のツールやテクノロジーにとどまらないと考察しており「日々の業務で使用するツールは、確かに開発者のワークフローの質を向上させる役割を果たす。しかし、デベロッパーエクスペリエンスはテクノロジー以外の要素にも左右される。深く創造的で有意義な仕事に専念できる時間や、失敗を恐れずに新しいことに挑戦できる個人的な自由が含まれる」と述べている。

AI拡張ソフトウェアエンジニアリング

AI拡張ソフトウェアエンジニアリングチーム

 ソフトウェアエンジニアリングチームがアプリケーションを迅速に作成、提供できるよう、AI技術を活用する。チームは、設計要素、アプリケーションコード、テストケースなど、さまざまな種類の成果物をAI(人工知能)を活用して迅速に生成し、それを改良して再利用することで、プロセス全体を加速できる。

AIを活用したアプリケーション

 利用可能な企業データ、高度なモデル構築機能、生成AIサービスを組み合わせることで、より優れたビジネス上の意思決定を促進するデータ強化型アプリケーションが誕生する。AIを活用したアプリケーションは、企業やアプリケーションで利用可能な情報を充実させ、ワークフローを自動化し、リスクを評価したり次善の策を推奨したりするモデルを構築できるとした。

ソフトウェア開発のスケーリング

プラットフォームエンジニアリング

 プラットフォームエンジニアリングとは、ソフトウェアのデリバリーとライフサイクル管理のための、セルフサービス型社内開発者プラットフォームの構築、運用に取り組む分野だ。特に、プラットフォームとなるシステムの技術専門家でない開発者が複雑な分散ITシステムを見つけ出し、運用し、セキュリティ保護、改善、構築できるようにする。

 開発者のエクスペリエンス全体を向上させる。またITソリューションの一貫性と品質を向上させ、冗長なツールやプロセスを削減し、複数のチームによる並行作業を統合し、セキュリティとコンプライアンスの標準を実施し、広範な自動化を実現する。

デジタル免疫システム

 デジタル免疫は、複数の領域、監視、ソフトウェアテスト、カオスエンジニアリング、ソフトウェア開発、サイト信頼性エンジニアリング、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティなどのプラクティスを結び付け、アプリケーションやソフトウェアが高い耐久性と品質を持つようにする。

 「多くのソフトウェアエンジニアリング組織は、これらの戦略の幾つかを採用しているが、耐障害性システムの構築という目標を達成するには十分ではない。これらのプラクティスを組み合わせることで、複雑なデジタルシステムが深刻なトラブルに見舞われたとしても、確実に稼働できるようにする、強力な継続的品質アプローチを構成できる」とハーシュマン氏は述べている。

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