マルチクラウド活用で需要が高まる、「データセンターインターコネクションサービス」とは何か:2027年まで年平均9.5%成長の見込み
IDC Japanは、国内データセンターインターコネクションサービス市場の予測を発表した。2022年の売上額は、対前年比11.7%増の632億5000万円。同社は2022〜2027年の年間平均成長率を9.5%とみており、2027年の売上額を997億6800万円と予測する。
IDC Japanは2023年12月20日、国内データセンター(DC)インターコネクションサービス市場の予測を発表した。DCインターコネクションサービスとは、DCサービス事業者などが一般企業やサービスプロバイダー向けに、異なるDCロケーションの自社設備やクラウドサービス、他企業/事業者などとのデータ交換(相互接続性)を提供するサービス。IDC Japanは2022〜2027年の年間平均成長率(CAGR)を9.5%、2027年の売上額を997億6800万円と予測している。
クラウド活用やマルチクラウド化が市場拡大を後押し
DCインターコネクションサービスの主な対象は、当初はDCサービス事業者のコロケーションサービスを利用する顧客だった。だがIDC Japanによると、コロケーションサービスを利用していない企業への提供や他事業者DCへのサービス基盤の拡張、自社ではDCを保有しないNaaS(Network as a Service)事業者によるサービス提供など「対象顧客やプレイヤー間の競争が変化している」という。
2022年は、クラウド活用やマルチクラウド化が一般企業に広がり、パブリッククラウドサービスなどへの柔軟な接続性を確保するためにDCインターコネクションサービスを利用するケースが増えた。そのため、2022年の売上額は、対2021年比で11.7%増の632億5000万円だった。今後は、クラウド環境へのトラフィックフローの管理や最適化、ロードマップに基づくデジタルインフラストラクチャ構築などの需要を背景に、市場は一層拡大する見込みだ。
IDC Japanの水上貴博氏(Infrastructure & Devices シニアマーケットアナリスト)は、「通信事業者はWAN(Wide Area Network)サービスのオプション以外のクラウド接続サービスの整備、システムインテグレーターは顧客がプライベートクラウドやAI(人工知能)をはじめとする自社ソリューションにセキュアで柔軟に接続できるDCインターコネクションサービスの構築/強化が重要となる」と述べている。
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