Google Cloudから他のクラウドに切り替えたい? データ移行の転送料金無料化を同社が発表:手続きは比較的シンプル
Google Cloudは2024年1月12日(米国時間)、同社クラウドから他のクラウドや社内データセンターに切り替えたいユーザーに対し、データ移行のためのネットワーク転送料を無料化したと発表した。利用ユーザーに制限はない。利用手順もかなりシンプルだ。
Google Cloudは2024年1月12日(米国時間)、同社クラウドから他のクラウドや社内データセンターに切り替えたいユーザーに対し、データ移行のためのネットワーク転送料を無料化したと発表した。既に全世界のあらゆる顧客が利用できるようになっているという。
発表ブログポストでは、次のようにはっきりと記述している。
「本日より、Google Cloudの利用を停止して別のクラウドプロバイダーやオンプレミスへのデータ移行を希望するGoogle Cloudの顧客は、Google Cloudからデータを移行するためのネットワークデータ転送を無料で利用できる。これは全世界の全顧客に適用される」
FAQを読む限りでは、上のコメント通り対象顧客に限定はないようだ。既存・新規どちらの顧客であっても、Google Cloudの利用を停止して他に移行する場合に利用できる。最低利用期間も設定されていない。
移行元となるGoogle Cloudのデータプロダクトは「BigQuery」「Cloud Bigtable」「Cloud SQL」「Cloud Storage」「Datastore」「Filestore」「Spanner」「Persistent Disk」(発表時点)となっている。
手続きはそれほど難しくない
このプログラムの利用は次のステップで行う。コンソールでワンクリックというわけにはいかないが、手続きは煩雑ではない。
- Google Cloudの担当営業がいる場合にはまず連絡する。
- 「Google Cloud Exit Request」という専用フォームに入力して送信する(リセラー経由で利用している場合は、リセラーが入力を代行する)。このフォームの主な入力項目は、データ移行開始予定日やデータプロダクトごとの想定データ転送量くらいだ。
- Google Cloudのサポートが申請をレビューし、データ移行の開始が可能になったことを連絡してくる。この連絡から60日以内に、データ移行作業を完了する必要がある。
- 60日以内にデータを全て移行して、契約を解除する。
完全移行だけでなく、部分移行にも対応するようだ。FAQは、次のように表現している。
「Google Cloudから完全に移行するのではなく、データの一部のみを移行する場合は、Google Cloudの契約を終了する必要はない。 Google Cloudのサポートチームがケースを確認し、返信する」(発表ブログポスト)
発表ブログは、「顧客のビジネスニーズが変化した場合、クラウドはこれに柔軟に対応できなければならない」とし、囲い込みをしないオープンなクラウドとしてのGoogle Cloudをアピールしている。
ビジネス的に考えると、金銭的なリスクの低さから、オンプレミスや他クラウドのユーザーがGoogle Cloudを利用する効果を狙っているのだろうか。
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