AIを活用しノンコア業務を削減 APCが「Value Tracer」を開発:開発者の稼働を2カ月で6.8%削減
APCは、開発回りの補助的な業務を削減するAI活用型の新ツール「Value Tracer」を開発した。開発者がより良い機能の開発に集中し、迅速に製品を開発できるよう支援する。SOLIZEとの共同検証では、開発者の稼働を2カ月で6.8%削減した。
エーピーコミュニケーションズ(APC)は2024年2月13日、開発回りの補助的な業務(ノンコア業務)を削減するAI(人工知能)活用型の新ツール「Value Tracer」を開発したと発表した。SOLIZEとの共同検証の結果、同ツールによって開発者の稼働を2カ月で6.8%削減できたという。
「開発作業に集中しづらい状況が増加している」
Value Tracerは、Gartnerが提唱した「Platform Engineering」の概念に基づいている。明確な定義は存在しないが、APCはPlatform Engineeringを「環境の変化が著しい製品開発の現場で、開発者がより良い機能の開発に集中し、迅速に製品を開発できるよう支援するための概念」と捉えている。
APCは「現代の開発チームは業務側からの要求やクラウドなどの技術進化、開発ツールの増大などの影響で認知負荷が増えており、開発作業に集中しづらい状況が増加している」と分析。中でもインフラ作業やDevOpsツールの利用、情報・ドキュメントの検索といったノンコア業務が開発チームやインフラチームの負担になっており、APCはそれこそが「組織の効率を下げる原因だ」と指摘している。
Value Tracerは、AIを活用した議事録の自動作成とFAQ回答の自動化、議事などを含めた情報の可視化と分析、という2つの機能で、そうしたノンコア業務を効率化する。「ビジネスサイドと技術サイドが共に改善し、開発生産性の向上が図れる」としている。
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