結局Web3開発はどのくらい普及しているのか? Web3開発プロジェクトの現況をSlashDataが調査:開発プロジェクトの上位は分散型金融やNFT
SlashDataはWeb3開発プロジェクトに関する動向について発表した。開発者の大多数はWeb3プロジェクトに関与せず、多くの懐疑論者がいるにもかかわらず、一部の開発者の間ではWeb3への関心が続いている。
SlashDataは2024年2月1日(米国時間)、同社調査レポートから見えたWeb3開発プロジェクトに関する動向について発表した。
Web3開発者が実際にどのようなプロジェクトに取り組んでいるのか
Web開発者とバックエンド開発者に、現在Web3プロジェクトに参加しているかどうか、また参加している場合はどのようなプロジェクトに取り組んでいるかを聞いた。開発者の大多数はWeb3プロジェクトに関与したことがなく(58%)、Web3がまだ普及初期段階にあることが分かる。
Web3には技術的な課題が伴い、収益化には型破りなアプローチが必要になることがよくあるが、多くの懐疑論者がいるにもかかわらず、一部の開発者の間ではWeb3への関心が続いている。ただし、開発者や消費者がこのような関心を寄せているにもかかわらず、多くの開発者がWeb3プロジェクトに移行する必要性を感じるようにはなっていない。
これに加えて、Web3開発に携わっていた開発者のうち44%は、現在そのようなプロジェクトに積極的に取り組んでおらず、そのうちのほぼ半数が過去12カ月以内に開発を中止している。
Web3プロジェクトに取り組んでいるWebおよびクラウド開発者の24%は、実際に何を構築しているのか。最も一般的なタイプのプロジェクトは分散型金融(DeFi)アプリケーションで、Web3開発者の31%がこれに取り組んでいる。DeFiは、現在の金融商品を介さずに金融取引や投資に参加できるシステムとフレームワークを提供する。
金融に焦点を当てた他のプロジェクトもWeb3開発者の間で人気があり、25%が非代替トークン(NFT)マーケットプレイスに取り組み、20%が分散型自律組織(DAO)アプリケーションに関わっている。
開発者の経験とプロジェクト
Web3プロジェクトは、経験3〜5年(31%)と6〜10年(29%)の開発者の間で最も人気があり、最も経験の豊富な開発者と最も経験の浅い開発者による関与は低くなる(経験年数が少ない開発者の22%と13%、それぞれ1年以上、16年以上の経験)。これは、経験の浅い開発者にとってWeb3開発はハードルが高いことを示唆している。
Web3開発を調べてみると、最も経験豊富な開発者は、Web3独自の新しい技術を使用して従来のソリューションに取り組むことに重点を置いていることが分かる。一方、経験の浅い開発者は、Web3技術パラダイムの下でのみ存在できる新しいプロジェクトに重点を置いている。より具体的には、経験豊富な開発者は古い課題を新しいソリューションで変革しているが、経験の浅い開発者は全く新しいテクノロジーを構築しようとしている。
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