【 New-Partition 】コマンドレット――ディスク上にパーティションを新規作成する:Windows PowerShell基本Tips(95)
本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「New-Partition」コマンドレットを解説します。
本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、コンピュータに接続されたディスク上にパーティションを新規作成する「New-Partition」コマンドレットです。
New-Partitionコマンドレットとは?
コンピュータに接続されたディスクにファイルやフォルダといったデータを書き込むには、幾つかの準備作業が必要なことは改めて説明する必要はないでしょう。
ディスクがコンピュータにデバイスとして認識された後、OSで扱うために「パーティション」と呼ばれる論理区分をディスク上に設定し、フォーマット作業を実施することで、初めてファイルやフォルダなどの書き込みができるようになります。
New-Partitionコマンドレットは、コンピュータに接続されたディスク上でパーティションを新規作成するコマンドレットです。ディスクのフォーマット後、パーティションを作成する際には、コンピュータが使用可能となるボリュームの容量やドライブレターを指定することになるので、ディスク操作においても非常に重要なコマンドレットです。
New-Partitionコマンドレットの主なオプション
オプション | 意味 |
---|---|
-DiskNumber | パーティションを作成するディスクの番号を指定する |
-Size | 作成するパーティションのサイズを指定する。「-UseMaximumSize」オプション指定時には省略可能 |
-UseMaximumSize | 最大容量を指定してパーティションを作成する。「-Size」オプション指定時には省略可能 |
-DriveLetter | パーティションに割り当てるドライブレターを指定する。省略可能 |
-GptType | 「GPT」(GUIDパーティションテーブル)形式のディスク上に作成するパーティションの種類を「GUID」(グローバル一意識別子)で指定する。省略可能 |
-MBRType | 「MBR」(マスターブートレコード)形式のディスク上に作成するパーティションの種類を指定。省略可能 |
パーティションを新規作成する前提条件
コンピュータに接続されたディスク上にパーティションを作成する際には、「ディスクの初期化」作業が必要となります。
GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)の「ディスクの管理」ツールでもディスクの初期化は可能ですが、PowerShellで初期化する場合は本連載第93回で紹介した「Initialize-Disk」コマンドレットを使用します。
初期化されていないディスクに対してNew-Partitionコマンドレットでパーティションを作成しようとしても、「初期化されていない」というエラーが発生し、パーティションを作成できません(画面1)。なお、New-Partitionコマンドレットは、管理者権限で実行する必要があります。
パーティションを新規作成する
パーティションを作成する際は、必須オプションである対象ディスクの指定(「-DiskNumber」オプション)と、作成するパーティションサイズ(「-Size」オプション)を付与してNew-Partitionコマンドレットを実行します(画面2)。「-Size」オプションはデフォルトではバイトでの数値指定となりますが、単位(KB、MB、GB、TB)を含めて指定することも可能です。
コマンドレット実行例
New-Partition -DiskNumber 0 -Size 100GB
New-Partitionコマンドレット実行後、本連載第94回で紹介した「Get-Partition」コマンドレットでディスクの状態を確認すると、指定したサイズでパーティションが作成されていることが分かります。
GUIの「ディスクの管理」ツールで見てみると、未フォーマットの状態でかつドライブレターが割り当てられていない状態でパーティションが作成されていることを確認できます(画面3)。
サイズを指定する「-Size」オプションの代わりに、「-UseMaximumSize」オプションを指定すると、未割り当ての容量全てを使用したパーティションを作成できます(画面4)。
コマンドレット実行例
New-Partition -DiskNumber 0 -UseMaximumSize
容量278GBのディスク上に100GBのパーティションを作成した後、「-UseMaximumSize」オプションを指定してパーティションを作成すると、未割り当て容量である178GBが割り当てられたパーティションが作成されていることが分かります。
上記例は複数のパーティションを作成した場合ですが、最初のパーティション作成時に「-UseMaximumSize」オプションを指定すると、ディスクの全容量が割り当てられた単一のパーティションが作成されます。
なお、GPT形式で初期化したディスク上でパーティションを作成する際には、パーティションタイプを「-GptType」オプションで指定することも可能です。特別な場合を除き、本オプションを使用することはないと思われますが、指定可能なパーティションタイプとGUIDは以下のようになります。
タイプ | GUID |
---|---|
システムパーティション | "{c12a7328-f81f-11d2-ba4b-00a0c93ec93b}" |
予約パーティション | "{e3c9e316-0b5c-4db8-817d-f92df00215ae}" |
ベーシックデータパーティション | "{ebd0a0a2-b9e5-4433-87c0-68b6b72699c7}" |
回復パーティション | "{de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac}" |
「-GptType」オプションを省略した場合は、「ベーシックデータ」が適用されるので、特別な場合を除き意識する必要はないと思われます。
MBR形式で初期化されたディスク上でパーティションを作成する
Initialize-Diskコマンドレットでディスクを初期化する際、パーティション形式を指定しなかった場合はGPT形式で初期化されます。GPTで初期化されたディスク上には最大128個のパーティションを作成できます。
対して、パーティション形式にMBRを指定した場合には、最大4つのプライマリーパーティションが作成可能で、そのうちの1つを「拡張パーティション」とすることで4つ以上のパーティションを作成することが可能になります。
MBR形式で初期化されたディスクに対して4つのパーティションを作成すると、4つ目のパーティションは自動的に拡張パーティション上の「論理パーティション」(もしくは論理ドライブ)として作成されます(画面5)。
MBR形式のパーティションを使用する機会はそれほど多くないと思いますが、参考程度に覚えておいた方がよいでしょう。
筆者紹介
後藤 諭史(ごとう さとし)
Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2024)。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』(日経BP社)。
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