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VS CodeのPythonおよびJupyter拡張機能の2024年4月版リリース FlaskとDjangoのデバッグ設定など機能強化Jupyterのセル間依存関係分析など各種機能が向上

Microsoftは「Visual Studio Code」のPythonおよびJupyter拡張機能の最新版を公開した。FlaskとDjangoのデバッグ設定フローの改善、PylanceによるJupyterのRun Dependent Cells機能の向上、Hatch環境の検出などの機能を強化した。

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 Microsoftは2024年4月4日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)のPythonおよびJupyter拡張機能の2024年4月版をリリースした。

 最新拡張機能の主な機能強化点は以下の通り。

FlaskとDjangoのデバッグ設定フローの改善

 「Flask」および「Django」アプリの起動設定の作成が簡単になった。Webアプリのlaunch.jsonを作成する際、ワークスペースに起動ファイルがある場合は、検出されるように改善されている。

 Djangoの場合、Python Debugger拡張機能(Python拡張機能をインストールすると、自動的にインストールされる拡張機能)がmanage.pyまたはapp.pyファイルを、ワークスペースのルートまたは1つ下のサブディレクトリで探す。

 Flaskの場合、Python Debugger拡張機能がFlaskアプリの宣言(app = Flask()など)を含むwsgi.py、app.py、init.pyファイルを探す。

 これらのファイルがプロジェクト内に見つからない場合、そのファイルが存在しなくても、対応するプロジェクトタイプの既定のオプションがドロップダウンに表示される。

 ファイルが検出されなかった場合、ファイルパスを直接入力するか、ディレクトリ内の他のファイルをブラウズすることができる。


Flaskアプリのデバッグ設定フロー(提供:Microsoft)

PylanceによるJupyterのRun Dependent Cells機能の改善

 最新のPylance拡張機能は、Jupyterがモジュールのインポートを理解するのを手助けし、Run Dependent Cells(Jupyter Notebookのセル間の依存関係を分析する)機能を改善する。この機能改善は、前のセルで定義されたモジュールをインポートするセルがある場合に、特に便利だ。

 この改善を有効にするには、VS Code Insider版に最新のPylance拡張機能のプレリリース版をインストールし、「jupyter.executionAnalysis.enabled」および「notebook.consolidatedRunButton」設定を有効にする。なお、Pylance拡張機能も通常、Python拡張機能をインストールすると、自動的にインストールされる。

Hatch環境の検出

 Hatch環境が「venv」「Conda」「Poetry」といった他の一般的な環境と同様に、既定で検出され、有効化されるようになった。Hatchは、Pythonプロジェクトで依存関係の管理や環境の分離を便利に行うための統合されたコマンドラインツール。明示的な環境識別子が登録されていないHatchの場合、Python拡張機能が環境タイプ(Hatch)を判別できるようになった。

Pipenv、pyenv、Poetryプロジェクトの自動環境選択

 ワークスペースに「Pipenv」「pyenv」、Poetry環境が含まれる場合、対応する環境が自動的に選択されるようになった。これまでPython拡張機能は、これらの環境を正しく検出しても、既定のグローバルインタープリタを選択したため、ワークスペースに適切な環境を手動で選択する必要があった。

Report Issueコマンドの改善

 PythonおよびPython Debugger拡張機能で、Issueが報告しやすくなった。開発者がReport Issueコマンド(workbench.action.openIssueReporter)を使ってIssueを報告すると、拡張機能の開発チームがIssueを効率的にトリアージできるように、追加情報を求めるプロンプトが表示されるようになった。

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