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「Geminiアプリ」「Gemini CLI」「Google AI Studio」――Googleが示す、AIツールの選び方プロ開発者の半数がAIツールを日常的に利用

Stack Overflowの調査によると、プロの開発者の半数は日常的にAIツールを利用しているという。多様なAIツールが各社から登場する中、開発者向けAIツールをどう選ぶべきなのか。Googleは公式ブログで同社のAIツールの選び方を「チートシート」と題して解説した。

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 ソフトウェア開発の現場では、AI(人工知能)ツールの活用がもはや当たり前になりつつある。

 Stack Overflowが発表した年次調査「2025 Stack Overflow Developer Survey」によると、回答者の84%はAIツールを既に利用しているか、または利用を予定していると回答。さらに、プロフェッショナル開発者の51%が、日常業務においてAIツールを毎日利用している状況だという。

開発プロセスにおけるプロフェッショナル開発者のAIツール活用状況(提供:Stack Overflow)
開発プロセスにおけるプロフェッショナル開発者のAIツール活用状況(提供:Stack Overflow)

 AIの普及でソフトウェア開発を取り巻く環境は大きく変わりつつある。では、開発者は、どのような用途で多様なAIツールを使い分けるべきなのか。

 Googleは公式ブログで、ソフトウェア開発を支援するAIを3つのパターンに分類した上で、Googleが提供する開発者向けAIツールの選び方を「チートシート」と題して解説した。

AIが開発者を支援する3つのパターン

 Googleは、AIが「委任」「監督」「協調」の3つのパターンで開発者を支援できると整理し、Googleが開発者向けに提供するAIツールを次のように分類した。

委任型

 開発者がAIにタスクを完全に任せるパターンだ。ユーザーは詳細な指示(instructions)を与える一方、AIとのやりとりの頻度は低く、AIが自律的に作業を進める。開発者が委任型を利用する目的は迅速に作業を完了させることであり、開発者の知識やノウハウを深めることには重点を置いていない。

 GoogleのAIエージェント「Jules」が、このパターンに当てはまる。

監督型

 AIが開発者のアシスタントとして機能するパターンだ。開発者はAIの作業を監督し、自身の経験やノウハウに基づいて目的や方向性などのコンテキストを提供する。委任型よりも対話が多く、開発者が書くコードの割合も増える。

 コマンドラインインタフェース(CLI)を通じて、開発者がタスクをAIに依頼する「Gemini CLI」や、FirebaseのワークフローをAIが支援する「Firebase Studio」が当てはまる。

協調型

 開発者とAIが協調して作業を進めるパターンだ。対話形式でやりとりを行い、共に学びながらソフトウェア開発を進めるアプローチであり、開発者が書くコードの割合が最も高くなる。

 IDE(統合開発環境)に統合され、リアルタイムで開発を支援する「Gemini Code Assist」と、Googleのモデルを利用してプロンプトを実験できる「Google AI Studio」が当てはまる。

開発者向け、GoogleのAIツールの選び方

 Googleは、同社のAIツールの選び方を、次のように整理している。

  • アプリケーションのプロトタイプを迅速に作成したいなら、Geminiアプリ
  • 特定のモデルやその機能を使ってプロンプトを実験するなら、Google AI Studio
  • AIによる支援を受けつつ好みのツールチェーンやソフトウェア開発環境で作業するなら、Gemini Code Assist
  • フルタイムのソフトウェア開発者ではないが、Googleのマネージド環境でプロトタイプ作成やコード作成に取り組むなら、Firebase Studio
  • 多様なAIプロジェクトに取り組むなら、Gemini CLI
  • GitHubベースのプロジェクト向けにインタラクティブなタスクやバックグラウンド処理を実行したいなら、Gemini CLI GitHub Actions
  • GitHubベースのプロジェクトであり、AIに明確な指示を出せるなら、Jules

AIツール導入、注意点は?

 先述したStack Overflowの調査では、AIの出力結果の正確性を「信頼しない」と46%の開発者が回答しており、AIが進歩すると同時に、ソフトウェア開発で活用が進む一方で、AIが出力したコードの品質に対する懸念は依然として大きい状況となっている。

 開発者がAIツールに自身のタスクの作業を委ねる場合は、その出力結果の妥当性を検証する仕組みや、問題が発生した場合の責任の所在について、組織内でリスクに関する議論を進めることが欠かせない。加えて、一律にAI利用を禁止するのではなく、定型的なタスクやプロトタイプ作成など、AIの力を最大限に生かせるユースケースを、開発者が見極めていくことも重要だ。

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