生成AIで期待以上の成果を得た企業が語る「最も重要な成功要因」とは PwCコンサルティングが調査結果を発表:期待を大きく超えた理由と期待未満だった理由を比較
PwCコンサルティングは「生成AIに関する実態調査2024 春」の結果を発表した。2023年10月の前回調査に引き続き、生成AIへの関心度や推進度が継続して高い水準を維持していることが分かった。
PwCコンサルティングは2024年6月17日、「生成AIに関する実態調査2024 春」の結果を発表した。これは売上高500億円以上の日本企業に所属する、AI(人工知能)導入に何らかの関与をしている課長職以上の従業員を対象に実施した調査で、912人から有効回答を得た。それによると生成AIの活用効果については、二極化の兆しが見られるという。
生成AIに置き換わった仕事にかけていた時間を何に使うのか
調査結果によると「社内で生成AIを活用中」または「社外に生成AIサービスを提供中」と回答した人の割合は前回調査(2023年10月実施)と比べて9ポイント増加しており、他社事例に「とても関心がある」と回答した人は前回調査比で4ポイント増。生成AIの普及/関心度合いは上昇していることが分かる。
生成AIで得られた活用効果に対しては「期待通りの効果があった」との回答が48%で最も多く、「期待を大きく上回る成果を上げた」は9%だった。それに対して、活用効果が「やや期待を下回る」は17%、「期待とは懸け離れた結果になった」は1%だった。
生成AIの活用効果が期待を大きく超えた理由で最も多く挙がったのは「適切なユースケース設定」で38%。一方、活用効果が期待未満だった理由のトップは「データの品質」(30%)。PwCコンサルティングは「“適切なユースケース設定”と“データの品質”が生成AIの活用効果を得るための両輪だと考えられる」と分析している。
生成AIの活用による社員業務の変化については、「生成AIによって業務が一部もしくは完全にAIに置き換わると思う」と回答した人の55%が「社員はより上流かつ創造的な業務または新規事業にシフト」と答えた。それに対して「社員の仕事は奪われ人員削減」と回答した人の割合は30%だった。
生成AI活用効果の還元先では、「従業員の雇用時間への還元」「新規事業への登用等、新たな投資に回す」「従業員への利益還元(給与増加、ボーナスなど)」が上位を占めた。
PwCコンサルティングは、この調査結果について「生成AIで期待を大きく超えた成果を出している企業については、経営層が生成AIによって起き得る変革を理解し、適切な投資を与えて生成AIの取り組みを推進し、適切な成果を実現している」と分析している。
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