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オープンソース技術に基づくべき生成AIのコンポーネントは何か Linux Foundation Japanが調査レポートを発表「調査対象となった全ての企業が多額の投資を見込んでいる」

Linux Foundation Japanは「2023年オープンソースの生成AIに関する調査レポート」を公開した。生成AIがビジネスの重要な要素になりつつあり、統合の容易さと透明性の点で、プロプライエタリAIよりもオープンAIが好まれていることが分かった。

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 Linux Foundation Japanは2024年5月30日、「2023年オープンソースの生成AIに関する調査レポート」を公開した。これは、Linux Foundation ResearchがLF AI & Data Foundationと協力して作成した調査レポート「2023 Open Source Generative AI Survey Report」の日本語版。それによると回答者の8割が「生成AI(人工知能)を自社の業務で利用している」と回答した。

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「2023年オープンソースの生成AIに関する調査レポート」の概要(提供:Linux Foundation Japan

オープンソース技術に基づくべき生成AIのコンポーネントは何か

 レポートによると、回答者の6割が「生成AI戦略に多額の投資を行う」と答えている。投資分布を見ると、エンドユーザーとベンダーのどちらもほぼ同じ傾向があった。このことからLinux Foundation Japanは「調査対象となった全ての企業が多額の投資を見込んでいる」と分析している。

 生成AIの利用目的を見ると「ソフトウェア品質保証」(35%、複数回答、以下同)、「ソフトウェアテスト」(34%)、「サイバーセキュリティ」(31%)などが上位を占めている。

 自社独自の技術を用いて生成AIシステムを開発している企業のうち71%が、既存の生成AI技術を自社の目的に合わせてカスタマイズして利用している企業では62%が「生成AIシステムのオープン性に対して懸念がある」と答えた。これに対して既存の生成AI技術をほとんどカスタマイズせずに利用している企業では、オープン性に懸念を示した割合は48%だった。

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生成AIシステムのオープン性への関心(提供:Linux Foundation Japan

 オープンソースとプロプライエタリのどちらの生成AIを好むかについて聞くと、オープンソースの生成AI技術を好んだ企業の割合は41%。プロプライエタリは9%だった。そして22%は両方のタイプを使用する傾向があり、28%は無関心だった。Linux Foundation Japanは、「技術の選択は、最終的にはこうした嗜好(しこう)を超えた要因に影響されることを示している」としている。

 Linux Foundation Japanによると、オープンソースソフトウェアの定義がソースコードを中心に展開するのに対して、オープンソースのAIシステムの定義は、システムを構成する各層(アプリケーション層、モデル層、インフラストラクチャ層)を考慮する必要があるという。

 レポートによると、オープンソース技術に基づくべきコンポーネントとして最も回答が多かったのは、モデル層の「モデルのトレーニングと検証のための生データやキュレーションされたデータセット」で47%だった(複数回答、以下同)。次いで、アプリケーション層の「AIアプリケーション」(44%)、モデル層の「トレーニング、テスト、推論、分析のためのソフトウェア」(37%)、インフラストラクチャ層の「パフォーマンスの測定と監視」(36%)と続いた。

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