ターゲットは「生成AI導入が停滞している企業」 アップデートから読み解くMicrosoftのAI戦略:Microsoft Buildの発表内容を分析
TechTargetは「AI開発者向けのMicrosoftの製品アップデート」に関する記事を公開した。Microsoftが発表したのは、生成AIの実験段階で行き詰まっている企業を支援するアップデートだ。
TechTargetは2024年5月21日(米国時間)、「AI開発者向けのMicrosoftの製品アップデート」に関する記事を公開した。
大手クラウドベンダーや生成AI(人工知能)のスペシャリスト、OpenAIやAnthropicなどのスタートアップ、そして多くのエンタープライズITベンダーが宣伝しているにもかかわらず、2024年5月時点において主流企業での生成AIの利用が進んでいないとTechTargetのベス・パリゾー氏は言う。
ある調査結果によると、技術の普及度を表す「ハイプサイクル」(Gartnerが提唱)において生成AIは「幻滅期」を迎えている可能性が示唆されている。また、Gartnerが実施した企業のAIに関する調査(米国、英国、ドイツの企業管理職703人を対象に実施)の結果によると、AIプロジェクトの半数以上(52%)が本番環境に移されていないことが分かっている。
Gartnerのジェイソン・ウォン氏(アナリスト)は「導入に失敗した、もしくは『思ったほど画期的ではない』と判断され、生成AIの導入が進んでいない企業は多い。プロジェクトが頓挫する理由は主に2つ。“完全な製品”として使うにはデータ品質が不十分なこと。または、試してみたがコストに見合う価値が得られないと判断したかのいずれかだ」と語る。
ウォン氏は「AIOps」が盛り上がったときと同様、「『ツールの有効性は、そのツールを適用する前のIT自動化のプラクティスとデータ管理の品質に大きく依存する』と気付く企業が増えるだろう」と話す。
「現状、われわれの“検索”は機能しているとはいえない。多くの企業は、『Microsoft Copilot』などに委ねることでこうした混乱を解消できるはずだと考えている。ただ、Microsoft Copilotを使うためには自社のデータにラベルを付け、データをカテゴリーごとに分類する必要がある。最初にその作業をすることでより優れた検索が可能になるだろう」(ウォン氏)
AIとの連携やガイダンスを強化するMicrosoft
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