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オープンソースのRust製コードエディタ「Zed」、Linux版を公開:「Atom」や「Tree-sitter」の開発者によるプロジェクト、GitHub Copilotにも対応
Zed Industriesは、オープンソースのRust製コードエディタ「Zed」のLinux版を公開した。
Zed Industriesは2024年7月10日(米国時間)、オープンソースのコードエディタ「Zed」のLinux版を公開した。ほとんどのLinuxディストリビューションでは、以下のシェルスクリプトを実行することでZedをインストールできる。
curl https://zed.dev/install.sh | sh
ZedはRustで開発されており、これまでmacOS版のみが公開されていた。Windows版は、ソースコードからビルドする必要がある。Zed Industriesは、エディタの「Atom」や構文解析フレームワークの「Tree-sitter」の開発者を中心とした少人数のチームだ。
Zedの特徴
Zedは、以下の特徴を持つ。
- パフォーマンスを重視して設計されており、全てのCPUコアとGPUを効率的に活用し、瞬時の起動、ファイル読み込み、レスポンスによって軽快な操作性を提供する。Zed IndustriesはZedのWebページで、他のエディタや統合開発環境(「Sublime」「Visual Studio Code」「CLion」)の起動時間、メモリ使用量との比較グラフを掲載している
- マルチコア時代に対応した設計により、Rustのユニークな機能を利用して、複数のCPUコアにわたって作業を並列化できる
- 「GitHub Copilot」をサポートし、コンテキストを切り替えることなく、AI(人工知能)と対話しながら作業できる
- 複数の開発者が共有ワークスペース内でコードをナビゲートし、編集でき、リアルタイムの会話ができる。チームで議論や計画作成、プロジェクトの追跡、共有ができる
- 入力中に全てのバッファーの完全な構文ツリーを維持し、正確なコードハイライト、自動インデント、検索可能なアウトラインビュー、構造選択を可能にする。Language Server Protocolに対応し、自動補完、コードナビゲーション、診断、リファクタリングといった機能を提供する
- GPUアクセラレーションを備えたUIフレームワーク「GPUI」により、3DビデオゲームのようにGPU上でウィンドウをラスタライズし、高速で信頼性の高いスムーズな表示を全てのフレームで実現する
- フル機能のターミナルが統合されており、ドックを使って好きな場所に配置できる他、検索可能なコマンドパレット、Visual Studio Codeスタイルのデフォルトバインディング、Vimスタイルのモーダル編集も利用可能だ。さまざまなライトテーマとダークテーマが用意されており、拡張機能でさらに多くのテーマを導入できる
Zed Industriesは「言語サポートの拡張や、さまざまなLinuxディストリビューションへの対応、複数のLinuxデスクトップ環境でのデバッグに興味がある人はぜひプロジェクトに協力してほしい」と呼び掛けている。
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