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デジタル化の目的は効率化だけなのか? 大阪の製造業に起こった「うれしい想定外」「俺らを殺す気か」から「面白いやん!」へ(2/3 ページ)

デジタル化やDXといえば、仕事の「見える化」や「効率化」など、目に見えて分かりやすい効果を期待することが多い。だが、変革の本質は「想定していなかったこと」にあるのかもしれない。

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生産管理システムの導入でもっとも配慮したこと

 同社が幾つかの選択肢の中から選んだのは、テクノアの生産管理システム「TECHS-S」だ。最も大きな選定理由は「入力のカスタマイズが柔軟なこと」だった。

 「製造部のメンバーはみな職人気質です。メンバーは40〜50代が中心で、なかには60代もいます。モノづくりは得意ですが、PCなんて絶対触らない人もいたし、キーボードで『を』を入力できない従業員もいました。そういった従業員にとって、細かなデータの入力はめちゃくちゃストレスです。そこで、入力をできるだけ簡単にしようと思いました。シンプルなのが一番やなと思って」(岸さん)

 TECHS-Sはバーコード入力ができたり、数字のコードで入力したり、選択肢から選んだりと、入力をできるだけ簡単にするためのカスタマイズが容易だった。

 「できるだけ入力しやすいように、サポートセンターの方に協力を仰ぎながら『最小限、ここを入れてくださいね』とできるように入力項目を極力減らしたり、『端末を立ち上げたら入力するだけ、これをすればいいだけ』みたいなシンプルな形にしたり、使用する従業員のストレスを減らすように日々改善しました」(濱口さん)

デジタル化を継続する工夫

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