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「環境変化に合わせて進化するシステム」を支える、不動産仲介企業情シスの矜持:システムの話の前にすべきこと(1/3 ページ)
全国規模で不動産を売買するランドネット。それを可能にしているのは、環境変化に合わせて積極的に進めてきたDXだ。現場から「よく変わる」と言われる情報システムはいかに開発されているのか? そこには、現場とシステム担当者との「信頼関係」があった。
「当社にとっての商品は不動産ではありません。テキストデータです」と、ランドネット 代表取締役社長の榮章博(さかえあきひろ)さんは話す。
不動産売買といえば、自社で建てた不動産や所有している中古物件を売買するのが一般的だ。しかし、ランドネットは不動産物件を所有せず、登記簿情報から全国の不動産情報を集めて売買する形態をとっている。個人が所有している戸建て住宅やアパート、マンションも対象なのが特徴だ。
不動産情報を商品として販売するプロセスはこうだ。
- 登記簿から集めた不動産情報から、所有者とコミュニケーションをとる
- コミュニケーションで得られた顧客情報を不動産データにひも付けて管理する
- 「売りたい」という所有者の物件を、販売図面を作成して広告に掲載する
- 広告で反響があった情報はデータとして記録する
- 「買いたい」という顧客が現れたら、契約書類を作成し、締結する
- 契約後の決済情報を履行管理する
- これらの履歴情報を基に従業員を評価する
「こうした業務形態は、他の不動産会社でも行っていますが、当社の特徴は、北は札幌から南は石垣島まで、日本全域が商圏であることです。市場はとても大きく見えています」(榮さん)
扱っている商品が「情報」であることから、創業当初から不動産情報を管理し、営業できるシステム開発を重視してきた。その結果、不動産情報の仕入れから営業、顧客管理まで、業務の多くは既にデジタル化が進んでいる。
一方、売買契約書、重要事項説明書といった、売買に必要な契約書類は紙でのやりとりが中心だ。「当社のお客さまは札幌から石垣島までおります。紙の契約だと、お客さまとのやりとりが大変です。電子契約だと一発で終わりますし、何カ所も名前を書いて印鑑を押す必要もありません」(榮さん)。そこで、現在は売買契約の電子化を進めている。
デジタル化の「抵抗」をどう乗り越える?
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