JavaScript/TypeScript用IDE「WebStorm」と.NET用IDE「Rider」の非商用利用が無料に、その理由とは:Rust用IDE「RustRover」とテスト自動化用IDE「Aqua」に続く措置
JetBrainsは、JavaScriptとTypeScript用の統合開発環境(IDE)「WebStorm」と.NET用IDE「Rider」について、非商用利用の無料化を発表した。
JetBrainsは2024年10月24日(チェコ時間)、JavaScriptとTypeScript用の統合開発環境(IDE)「WebStorm」と.NET用IDE「Rider」について非商用利用の無料化を発表した。
JetBrainsは2024年に、Rust用IDE「RustRover」とテスト自動化用IDE「Aqua」に新しいライセンスモデルを導入し、これらの非商用利用を無料にしており、今回、同ライセンスモデルをWebStormとRiderにも適用した。WebStormとRiderは非商用目的(学習、オープンソースプロジェクト開発、コンテンツ制作、趣味での開発など)に限り、無料で利用できるようになった。
商用プロジェクトについては変更はなく、既存のライセンス体系がこれまで通り適用される。他のJetBrains IDEも、この更新による影響はない。JetBrainsは、この無料非商用ライセンス提供計画の結果を評価し、その適用対象を拡大可能かどうか判断する予定だ。
非商用利用を無料化した理由、非商用サブスクリプションの取得方法
JetBrainsは非商用利用を無料にすることで、より幅広い開発者が同社のIDEを使用できるようにすることを目標としている。この目標を達成する手段を幾つか調査し、IDEの機能を一部省略したCommunity Editionを追加することも選択肢の一つとして検討した。
だが、JetBrains IDEは多くの場合、作業生産性の向上に不可欠な全ての機能がソフトウェア単体に深く組み込まれたモノリシック構造となっている。そのため、Community Editionを追加で作成すると、多様なニーズを満たさない機能セットを提供するリスクが生じると判断した。
一方、プログラマー向けQ&Aサイト「Stack Overflow」などのさまざまなアンケート結果から、68%の開発者が業務外の趣味として、約40%がプロ開発者としての成長と自己ペースでの学習目的で、コーディングをしていることが分かった。この割合はゲームとWeb開発の分野では、さらに高くなる。そこでJetBrainsは、WebStormとRiderに新しいライセンスモデルを適用し、こうした非商用目的に限り、無料で利用できるようにした。
WebStormとRiderを非商用目的で使用するためのサブスクリプションは、これらのIDE内から直接簡単に申し込める。試用期間を既に開始しているか、有料ライセンスを使用してIDEを有効化している場合でも、非商用サブスクリプションに切り替えることが可能だ。
JetBrainsによると、WebStormとRiderを非商用ライセンスで使用する場合、匿名化された使用統計情報(IDEテレメトリー)がJetBrainsに送信されることをオプトアウトすることができない。この情報はJetBrains製品の改善に使用される。これは同社の早期アクセスプログラム(EAP)と同様であり、同社のプライバシーポリシーにも準拠しているという。
また、非商用ライセンスで使用していて、問題が発生した場合や質問をしたい場合については、公開コミュニティーフォーラムの課題トラッカーにリクエストを提出することが推奨されている。
JetBrainsは、WebStormとRiderの非商用利用の無料化を発表したブログ記事で、関連する質問と回答を紹介している。
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