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2025年には企業のAI活用が「全方位」に拡大 ITRが予測する11のIT戦略トレンドとはビジネス戦略もDevOpsもセキュリティもAIがキーワードに

ITRは「ITR注目トレンド2025」を発表した。同社は、2025年には生成AIによる業務効率化が進み、さらなるAI活用に向けた取り組みが加速するとしている。

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 アイ・ティ・アール(ITR)は2024年11月19日、「ITR注目トレンド2025」を発表した。これは2025年に企業が注目すべきIT戦略テーマを「経営戦略アップデート」「AI(人工知能)駆動型システム革新」「インフラ&セキュリティ高度化」の3つの観点でまとめたもの。

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プレスリリース

あらゆる分野がAIに主軸を置くようになる

 ITRが注目トレンドとしてまとめた2025年に注目すべきIT戦略テーマは以下の11個。

  • 環境変化に即応するビジネス戦略立案
  • AIコンバージェンスを誘発する組織能力の醸成
  • 「責任あるAI」の実践に向けたガバナンス体制の整備
  • 「NG-DevOps」によるアプリケーション内製
  • AIを使ったデータ分析の「守りの自動化」から「攻めの自動化」への転換
  • AIと接続した業務システムに求められる戦略的インテグレーション
  • AI活用を促進するData Flow Hub基盤の強化
  • 顕在化するソフトウェアサプライチェーンリスクに対する管理手法の確立
  • AI活用によるセキュリティ運用の自動化と防御性能のレベルアップ
  • エッジコンピューティングとオンデバイスAIによるビジネス革新
  • ITインフラモダナイゼーションの推進

 経営戦略アップデートの観点では、「環境変化に即応するビジネス戦略立案」「AIコンバージェンスを誘発する組織能力の醸成」「『責任あるAI』の実践に向けたガバナンス体制の整備」の3つが当てはまる。ITRは「AIが中核となって多様な技術が融合することで、新たな価値や需要が加速的に生み出されるAIコンバージェンスの時代が到来する。AIの普及拡大に伴い、その社会的、倫理的な課題にも関心が向けられるようになる」としている。

 AI駆動型システム革新の観点からは、「NG-DevOpsによるアプリケーション内製」「AIを使ったデータ分析の『守りの自動化』から『攻めの自動化』への転換」「AIと接続した業務システムに求められる戦略的インテグレーション」「AI活用を促進するData Flow Hub基盤の強化」の4つのテーマが選ばれた。このうちの“NG-DevOps”とは、AIの支援を受けた新世代のDevOpsだという。これを活用することで、ビジネスに貢献するアプリケーションを迅速に開発ができるとITRは予測している。同社は、生成AIの登場によってAIを使ったデータ分析の自動化への取り組みが加速しているものの、多くの企業では現状の課題を個別に解決する「守りの自動化」にとどまっており、自動化の真の恩恵を受けるためには、より高度なデータ分析を可能にする「攻めの自動化」が必要だとしている。

 インフラ&セキュリティ高度化に関しては、「顕在化するソフトウェアサプライチェーンリスクに対する管理手法の確立」「AI活用によるセキュリティ運用の自動化と防御性能のレベルアップ」「エッジコンピューティングとオンデバイスAIによるビジネス革新」「ITインフラモダナイゼーションの推進」の4つ。セキュリティの分野でもAIがキーワードとなっている。例えば大企業で導入が進んでいるSOC(Security Operation Center)についてITRでは、SOCを導入しただけでは防御性能が上がらない上に維持コストがかかるため、AI技術を用いた2次分析以降のフォレンジック機能のレベルアップと、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)を用いたエスカレーションフローの自動化が必要だとしている。

 ITRの金谷敏尊氏(リサーチ統括ディレクター)は、「2025年には、AI活用に向けた取り組みが加速する。企業は、経営・組織戦略から、データ分析、システム開発、インフラおよびセキュリティに至るまでの全領域でAIを前提とした変革に挑み、競争力を強化することが求められる」と述べている。

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