COBOL/メインフレームのJava/マイクロサービス化サービスをデロイト トーマツが発表 どう実現しているのか:メインフレーム上のデータベースも自動移行
デロイト トーマツは、レガシーシステムのモダナイゼーションに向けたサービスを、2025年4月から本格展開すると発表した。「COBOL」プログラムを変換するだけでなく、「マイクロサービス化」「コードの自動生成」などの機能を備えている。
デロイト トーマツ コンサルティングは2025年3月13日、レガシーシステムのモダナイゼーション(近代化)に向けたサービスを、2025年4月から本格展開すると発表した。独自のツールを用いて「モダナイゼーションを安全かつ効率よく実現する」としている。
Javaに変換するだけじゃない
レガシーシステムは人材不足などの影響もあり、ブラックボックス化が進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)への支障になっている企業もある。デロイト トーマツ コンサルティングは「特にメインフレームは、2035年にかけて一部のメーカーで製造や販売、保守の終了が予定されており、『COBOL』からの脱却が急務になっている」としている。
モダナイゼーションに利用するツールは「innoWake」。これは、デロイト トーマツ グループが加盟するグローバルネットワークのデロイトが米国で特許を取得したツールだ。メインフレームで稼働しているCOBOL言語によるプログラムを「Java」言語に1行単位で自動変換する。ソースコードの構造変更を極力少なくすることでバグの発生リスクを抑え、「低リスクと時間短縮を両立した」としている。
その他、ソースコードを独立したプログラムやコンポーネントに分解(マイクロサービス化)する「DBカッター/モノリスカッター」という機能や、メインフレーム上のデータベースをオンプレミス(またはクラウド)の表形式のデータベースに自動移行する機能、プログラムやコンポーネントの設計書を自動生成したりアセンブラプログラムをJavaに再実装する際に要件定義と要求機能を導出してコードを自動生成したりする「生成AI機能」を備えている。
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