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OracleとGoogle Cloudが提携、Gemini 2.5をOracle Cloud Infrastructureで提供開始

OracleとGoogle Cloudが提携し、OCI上でGeminiモデルを提供開始した。OCIユーザーはマルチモーダルAIを容易に導入できるようになり、幅広いユースケースに対応するAIエージェントを構築できるという。

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 企業のAI活用は生成AIやAIエージェントによって新たな段階に入った。特にマルチモーダル技術の発展により、テキストやコードだけでなく画像や動画、音声の生成が可能になることは、生産性向上やビジネス目標の達成に大きな影響を与える。一方で、高い信頼性やセキュリティが求められるエンタープライズ分野ではAI活用が進んでいない企業は多い。

 こうした中で、クラウド事業者やベンダーはパートナーシップを強化し、高度でありながら、導入しやすいAI環境を提供することで市場における優位性を競い合っている。

 2025年8月19日に発表されたOracleとGoogle Cloudの提携は、その事例の一つだ。Oracleは「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Generative AI」経由で「Google Gemini 2.5」モデルの提供を開始したと発表した。

 OCIのユーザーはテキスト、画像、音声、動画を横断的に扱えるマルチモーダルAIを自社のクラウドインフラから利用できるようになった。高度なコーディングやソフトウェア開発、業務の生産性向上、ワークフロー自動化、調査・ナレッジ検索など、幅広いユースケースに対応するAIエージェントを構築できるという。

Gemini 2.5はOCIのユーザーに何をもたらすのか

 OracleはGoogle Cloudの「Vertex AI」との連携を強化し、Geminiモデルの全ラインアップをOCI上で展開する計画も明らかにした。これには医療分野特化型の「MedLM」なども含まれており、業界別ソリューションを必要とする顧客に幅広い選択肢を提供する意図がある。将来的には、財務、人事、サプライチェーン管理といったOracleの業務アプリケーション群「Oracle Fusion Cloud Applications」においても、Geminiをオプション機能として統合する方針が示されている。

 Oracle Cloud Infrastructureのプレジデントを務めるクレイ・マグワーク氏は、今回の発表が「強力でセキュア、かつコスト効率の高いAIソリューション」を顧客に届けるものだと説明した。

 Gemini 2.5は、2025年3月25日に発表され、マルチモーダル技術に加えて、リーズニング能力とコーディング能力にも優れているという。リーズニング能力は信頼性が求められる分野での需要が大きい。これをOCIで利用可能にすることは、エンタープライズ分野でのAI活用の障壁を下げることにつながる。「Oracle Universal Credits」を利用してGeminiを導入できる点も、コスト効率を意識する既存ユーザーのAI導入障壁を下げる狙いが見られる。

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