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【Windows 11】“あの定型文”を1秒で貼り付け、「クリップボードの履歴」の神髄「ピン留め」機能を活用するTech TIPS

住所やメールのあいさつ文など、頻繁に入力が必要となるテキストを毎回、同じように手動で入力していないだろうか。本Tech TIPSでは、このような毎回、繰り返しいろいろなところで必要となっている「定型文」の入力効率を向上させるWindows 11の標準機能「クリップボードの履歴」とその神髄である「ピン留め」機能について解説する。

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対象:Windows 11


「クリップボードの履歴」の「ピン留め」機能で定型文の入力を効率化
「クリップボードの履歴」の「ピン留め」機能で定型文の入力を効率化
住所やメールのあいさつ文など、頻繁に入力が必要となるテキストを毎回、同じように手動で入力していないだろうか。本Tech TIPSでは、このような毎回、繰り返しいろいろなところで必要となっている「定型文」の入力効率を向上させるWindows 11の標準機能「クリップボードの履歴」とその神髄である「ピン留め」機能について解説する。

 メールを送信する際、「お世話になっております。○○の△△です。……」といったテキストを毎回入力していないだろうか。他にもメールの署名や住所、メールアドレスなど、頻繁に入力しているものも多いはずだ。過去のメールなどから毎回コピーして貼り付ける、そのわずか数秒の積み重ねが生産性を落としている。

 あいさつ文やメールアドレスなど、毎回、入力するテキストは、メールソフトウェアのテンプレートを使ったり、署名機能を使ったりして効率化している、という人もいるだろう。しかし、こうしたテキストは、メールだけでなく、場合によってはMicrosoft Excelで書いている見積書などでも入力することがあるはずだ。そのような場合、メールソフトウェアのテンプレートでは対応できない。

 本Tech TIPSでは、このような毎回、繰り返しいろいろなところで必要となっている「定型文」の入力効率を向上させるWindows 11の標準機能「クリップボードの履歴」とその神髄である「ピン留め」機能について解説する。

準備:「クリップボードの履歴」を有効にする

 準備として「クリップボードの履歴」が有効になっていることを確認しよう。

 「設定」アプリを起動し、[システム]−[クリップボード]を選択して、「クリップボード」画面を開く。ここの「クリップボードの履歴」のスイッチが「オン」になっていることを確認する。ここが「オフ」になっていると「クリップボードの履歴」が使えないので、「オン」にする。これで、クリップボードには直前に[Ctrl]+[C]キーなどで保存したものだけでなく、複数のテキストや画像がクリップボードに保存できるようになる。

「クリップボードの履歴」を有効にする(1)
「クリップボードの履歴」を有効にする(1)
「設定」アプリを起動し、[システム]−[クリップボード]を選択する。
「クリップボードの履歴」を有効にする(2)
「クリップボードの履歴」を有効にする(2)
「クリップボード」画面が開いたら、「クリップボードの履歴」のスイッチを「オン」にする。

この機能が便利! 「ピン留め」が仕事の効率を加速させる理由

 通常、クリップボードに保存されているテキストや画像を貼り付ける際は、[Ctrl]+[V]キーを押す。「クリップボードの履歴」では、[Windows]+[V]キーを押すと、過去にコピーした項目が一覧で表示される([Ctrl]+[V]キーで最新のテキストや画像を貼り付けられる)。

 「クリップボードの履歴」が表示されたら、履歴の中から貼り付けたい項目をクリックすると、その項目がカーソル位置に貼り付けられる。これが「クリップボードの履歴」の基本機能だ。

 ただし、通常のクリップボードと同様、「クリップボードの履歴」もWindows 11を再起動すると、クリップボードの中身が全て消えてしまう。せっかくよく利用する「定型文」を「クリップボードの履歴」に保存していても、再起動で消えてしまっては最初から「定型文」をコピーしなければならない。

 ここで登場するのが「クリップボードの履歴」の「ピン留め」機能である。「ピン留め」とは、「クリップボードの履歴」の中から特定の項目を固定しておく機能だ。重要なのは、「ピン留め」された項目は、Windows 11を再起動しても消えないというところになる(「ピン留め」していない項目は再起動で消えてしまうので注意)。

 これで単なる「クリップボード」が、自分だけでの「定型文バンク」になるというわけだ。

「クリップボードの履歴」の「ピン留め」機能の使い方

 「ピン留め」するのは非常に簡単だ。「メモ帳」アプリなどで「ピン留め」したい「お世話になっております。○○の△△です。……」といったテキストを入力したら、全て選択して、[Ctrl]+[C]キーを押して、通常通りクリップボードにコピーする。

 このままでは、Windows 11を再起動したら消えてしまうので、[Windows]+[V]キーを押して、「クリップボードの履歴」のウィンドウを開く。先ほどコピーしたテキストが「クリップボードの履歴」として表示されるはずなので、その項目の右下にある[ピン]アイコン(アイテムの固定)をクリックすればよい。これで、この項目は「ピン留め」され、Windows 11を再起動してもクリップボード内に維持される。

「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(1)
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(1)
「メモ帳」アプリなどを起動し、定型文として「ピン留め」したいテキストを入力する。入力したテキストを選択してから、[Ctrl]+[C]キーを押してクリップボードにコピーする。
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(2)
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(2)
[Windows]+[V]キーを押して[クリップボードの履歴]ウィンドウを開く。「メモ帳」アプリなどでコピーした定型文の右下にある[ピン]アイコンをクリックする。
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(3)
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(3)
「ピン留め」されると、[ピン]アイコンが黒色に変わる。
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(4)
「クリップボードの履歴」で定型文を「ピン留め」する(4)
メールなどに定型文を貼り付けたい場合は、貼り付けたい位置にカーソルを移動し、[Windows]+[V]キーで[クリップボードの履歴]ウィンドウを開き、定型文をクリックすればよい。これでカーソル位置に「クリップボードの履歴」から定型文が貼り付けられる。

 その後、[Ctrl]+[C]キーを押して別の項目をクリップボードにコピーしていくと、「ピン留め」した項目は下の方に埋もれてしまう。そのような場合は、[すべてクリア]ボタンを押して、「ピン留め」していない項目を削除してしまうとよい。

「ピン留め」していない項目を削除する(1)
「ピン留め」していない項目を削除する(1)
「クリップボードの履歴」が不要な項目だらけになったら、[すべてクリア]ボタンをクリックするとよい。
「ピン留め」していない項目を削除する(2)
「ピン留め」していない項目を削除する(2)
「ピン留め」していない項目が全て削除され、「ピン留め」したもののみが「クリップボードの履歴」に残る。

 なお、「クリップボードの履歴」で「ピン留め」できる項目は、25個までとなっている。25個まで「ピン留め」してしまうと、それ以上は[ピン]アイコンは表示されず、「ピン留め」できなくなるので注意してほしい。

「クリップボードの履歴」の「ピン留め」を解除して項目を削除する方法

 「ピン留め」が不要になった項目は、黒くなっている[ピン]アイコンをクリックして、「ピン留め」を外せばよい。

「ピン留め」を解除する
「ピン留め」を解除する
「ピン留め」が不要になった項目は、黒色の[ピン]アイコンをクリックすれば解除できる。

 また、その項目を削除したい場合は、項目の右上にある[…]アイコンをクリックすると、項目の右側に[ごみ箱]アイコンが表示されるので、これをクリックする。「ピン留め」された状態でも、[ごみ箱]アイコンをクリックすることで削除可能だ。

特定の項目を削除する(1)
特定の項目を削除する(1)
不要になった項目を削除する場合は、項目の右上にある[…]アイコンをクリックする。
特定の項目を削除する(2)
特定の項目を削除する(2)
表示された[ごみ箱]アイコンをクリックすると、その項目のみ削除できる。「ピン留め」した項目も、「ピン留め」を解除することなく削除可能だ。

 不要な項目を定期的に削除して整理すると、より使いやすい「定型文バンク」になるだろう。


 よく入力する定型文を「クリップボードの履歴」にコピーし、「ピン留め」しておく。そして入力する際は、[Windows]+[V]キーを押して、「クリップボードの履歴」から貼り付ける。このちょっとした作業を習慣にするだけで、日々の作業効率が大きく向上するはずだ。

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