AIとの将来をITフリーランスはどう考えている? ギークスが調査:AI活用の有無が案件選びの重要な要素に
ギークスは「ITフリーランスのAI活用に関する実態調査」の結果を発表した。AI活用が業務に浸透し、活用の有無が案件選びの際の重要な要素になっていることが分かった。
ギークスは2025年9月25日、「ITフリーランスのAI(人工知能)活用に関する実態調査」の結果を発表した。それによると、AI活用が業務に浸透し、活用の有無が案件選びの際の重要な要素になっていることが分かった。
AI活用の有無が案件選びの重要な要素に
調査結果によると、AIを「日常的に活用している」と回答したITフリーランスの割合は63.3%、「時々活用している」は24.3%だった。活用している作業内容では、「技術的な調査、情報収集」(78.8%、複数回答、以下同)や「ソースコードの生成、提案」(74.5%)、「エラーメッセージの解析」(57.6%)が上位を占めた。これに対してAIを活用していない理由では、「アウトプットの正確性に不安がある」(43.5%)や「使い方がよく分からない」(43.5%)、「セキュリティや情報漏えいのリスクが懸念される」(39.1%)といった回答が多かった。
現在参画している案件でのAI活用の推奨度合いについては「積極的に活用を推奨している」と回答したITフリーランスの割合は27.0%、「ガイドラインの範囲内でのみ許可している」が31.9%、「黙認または容認している」が7.6%、「利用に慎重である」が7.6%、「原則、禁止している」が5.9%だった。また、現在参画している案件での、実際のAI活用状況は、「会社としてAIを大いに活用している」が23.8%、「一部のチームやメンバーが活用している」が26.5%、「各個人が個人の判断で活用している程度」が24.3%だった。
一方、案件を選ぶ際に企業のAI活用の有無やツールの種類をどの程度重視するかを見ると、「非常に重視する」と回答したITフリーランスの割合は26.5%、「それなりに気にする」が45.4%だった。また、AIの台頭によって今後代替される、または重要度が下がると考える業務やタスクでは、「単純なコーディング作業」(83.2%)や「簡単なドキュメント作成、翻訳」(74.6%)、「単体テストコードの作成」(71.4%)との回答が上位を占めた。
AIとの将来に関しての、変化の可能性やITフリーランスの考えについては、「コミュニケーション能力やドキュメントの作成スキルなどが技術スキルと同列で評価されることになると予想している」「今後、AIにKPT(Keep〈継続〉、Problem〈問題点〉、Try〈挑戦〉)を覚えさせることによって1人の部下として存在する形になると考える。そのため、利用者は上流工程のしっかりとした構築がより求められる」「AIは簡単に使用できるため、情報漏えいのリスクがさらに高まるので、コンサルティングなどの需要が増えるのではないか」といった回答が挙がった。
このニュースのポイント
Q: ITフリーランスのAI活用状況は?
A: 「日常的に活用」63.3%、「時々活用」24.3%で大多数が業務に取り入れている。
Q: 主にどんな用途で活用されているか?
A: 技術調査、情報収集(78.8%)、ソースコード生成(74.5%)、エラー解析(57.6%)。
Q: 案件選びにおけるAI活用の重視度は?
A: 「非常に重視する」26.5%、「それなりに気にする」45.4%で、7割超が案件判断の基準にしている。
Q: 今後AIで代替されると考えられる業務は?
A: 単純なコーディング(83.2%)、簡易文書作成や翻訳(74.6%)、単体テスト作成(71.4%)。
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