「AIに仕事を奪われる不安」は年齢が上がると気にならなくなる? 40〜60歳代エンジニアの働き方調査:バイブコーディングは「興味はあるが使ったことはない」が最多
モロは、40〜60歳代のITエンジニアを対象に実施した、働き方に関する実態調査の結果を発表した。それによるとAIのコーディング支援機能を積極的に利用している人は2割に満たなかった。
シニアエンジニア特化のフリーランス求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロは2025年9月4日、シニアエンジニアの働き方の意識調査結果を発表した。この調査は、40〜60歳代のITエンジニアを対象にキャリア不安や新技術習得に対する意欲、AI(人工知能)活用状況の実態を調べたもので、600人から有効回答を得た。
「AIに仕事を奪われる」よりも不安なことは?
今後のキャリアに対する不安を見ると、「技術の変化についていけず、(自分の持つ)スキルが古くなるかもしれない」(33.7%)や「年収が下がってしまうかもしれない」(30.5%)といった意見が上位を占めた。「AIの進化で仕事が奪われるかもしれない」と回答した人の割合は、40歳代の36.5%に対して60歳代は15.5%と、調査対象の中では若い世代ほどAIの影響を意識し、年齢が上がるにつれてスキルや収入といった現実的な課題への不安が強まる傾向が見られた。
「バイブコーディング」については、最も回答が多かったのは「興味はあるが使ったことがない」(32.0%)。次いで、「試したことはあるが業務では使っていない」(22.2%)。「現在積極的に業務で使っている」と回答した人の割合は15.3%だった。年代別では、積極利用している人の割合は、40歳代が18.5%、50歳代が19.5%、60歳代は8.0%だった。
AI技術の習得については、「業務で必要とされれば学ぶ」と回答した人が最も多く44.3%を占めた。次いで、「積極的に学びたい」が25.3%、「学ぶ意欲はない」が17.3%、「年収が上がるなら学ぶ」が13.0%だった。業務で日常的に使用しているAIツールについては「ChatGPT」が圧倒的に多く、37.2%を占めた。次いで「Gemini」が15.2%、「GitHub Copilot」が12.2%だった。一方、「使ったことがない」と回答した層が3分の1を占め、AIツール未使用者も相当数存在することが明らかになった。
このニュースのポイント
Q: ITエンジニアが感じる最も大きなキャリア不安は?
A: 「技術の変化についていけずスキルが古くなるかもしれない」(33.7%)、「年収が下がるかもしれない」(30.5%)が上位。AIに仕事を奪われる不安は、40歳代で36.5%、60歳代で15.5%と、より若い世代に多い。
Q: バイブコーディングの利用状況は?
A: 「興味はあるが使ったことがない」が32.0%で最多。次いで「試したことはあるが業務では使っていない」22.2%。積極的に業務で使っているのは15.3%にとどまる。年代別では40歳代18.5%、50歳代19.5%、60歳代8.0%が積極利用。
Q: 日常的に使用しているAIツールは?
A: 「ChatGPT」が37.2%で最も多く、続いて「Gemini」(15.2%)、「GitHub Copilot」(12.2%)。一方、使ったことない層が約3割いる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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