約8割の企業が「DX内製化を推進したい」のに4割以上が「外部委託」を選択 ドリーム・アーツ調査:役職ごとで課題感にギャップも
ドリーム・アーツは、DX内製化に関する調査結果を発表した。それによると過半数の企業が「DX内製化を推進したい」と考えているが、実際には4割以上がDXを外部のITベンダーに委託していることが分かった。
ドリーム・アーツは2025年9月30日、DX(デジタルトランスフォーメーション)内製化に関する調査の結果を発表した。この調査は、従業員数1000人以上の大企業に勤めている人を対象に実施し、650人から有効回答を得た。それによると、DX内製化を推進したいと回答した企業の割合は約8割を占めたものの、実際には4割以上がDXを外部のITベンダーに委託していることが分かった。
DX内製化における最大の障壁は、依然として「IT人材不足」
DX推進の外部ITベンダーへの委託状況を見ると、「ほぼ全て外部委託」と回答した人の割合は9.6%、「半分以上外部委託」は31.8%。合わせて41.4%が多くを外部に委託しており、「ほぼ内製」は24.9%にとどまっていた。現在外部委託している人のDX内製化への意欲を見ると、「強くそう思う」と回答した人の割合は14.2%、「できればそうしたい」は64.6%で、内製化への高い意欲が明らかになった。
DX内製化の最大の障壁では、「IT人材不足」(51.2%、複数回答)が最も多く、次いで「現場のスキル不足」(34%)、「業務が複雑過ぎる」(17.8%)が続いた。「ここ数年、IT人材の不足が課題として叫ばれ続けているが、状況は大きく改善されておらず、人材面の課題は依然として深刻だ」とドリーム・アーツは分析している。
また、DX内製化の課題を役職別で見ると管理職や経営層は「現場のスキル不足」という回答が多かったが、非管理職では「障壁はない」という回答が比較的多く、両者の認識に差があることが分かった。
ドリーム・アーツは「ノーコード開発ツールを活用し、現場主導の取り組みを促進することで、DX内製化の加速と人材育成の両立が期待でき、ひいては人材不足という構造的な課題の打開にもつながる」と述べている。
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