生成AIで時間が減った業務、1位は「テストコード生成」、増えた業務は?:生成AIは「脅威」か「相棒」か
サーバーワークスは、ITエンジニアの生成AI導入による働き方とスキルの変化を調査した結果を公表した。業務内容と求められるスキルの双方で「変化」を感じる回答が8割超に達した。
クラウド専業インテグレーターのサーバーワークスは2025年11月5日、ITエンジニアの生成AI(人工知能)による働き方とスキルの変化に関する調査結果を公表した。調査は2025年9月29日〜10月6日にインターネット調査で実施し、全国に住む20歳以上の企業に勤めるITエンジニア264人を対象としている。
生成AIによる業務変化を8割超が実感
生成AI導入後の業務変化について、「大きく変化した」が31.4%、「やや変化した」が51.9%となり、回答者の8割超が変化を感じていると回答した。
求められるスキルも8割超が変化を実感
求められるスキルの変化では「とても感じている」が26.1%、「やや感じている」が57.6%となり、ここでも8割超が変化を感じている。
生成AI時代に重要だと思うスキルは、「AIツールの活用スキル」(24.6%)が最多で、「論理的思考力」(14.4%)「プロンプトエンジニアリング」(11.4%)、「問題解決力」(11.0%)が続いた。
非技術スキルの必要性は「非常に感じる」(27.7%)と「やや感じる」(56.8%)の合計が8割超に達した。
時間配分に変化
「生成AIによって時間が減った」と感じる業務は、「テストコードの生成」(45.1%)、「ドキュメント作成」(44.7%)、「定型的なコード記述」(43.9%)が上位だった。
一方で「生成AIによって時間が増えた」と感じる業務は、「AIへの指示(プロンプト)作成」(43.9%)、「AI生成物のレビュー・修正」(42.4%)、「新しい技術のキャッチアップ・学習」(34.5%)が挙がった。
生成AIは「脅威」か「相棒」か
生成AIの捉え方について、「脅威だと感じている」(12.1%)と「どちらかというと脅威」(28.0%)の合計が約4割となった。「相棒だと感じている」(13.3%)と「どちらかというと相棒」(17.8%)の合計は約3割で、「中立的」は3割弱だった。
働きがいの変化では「上がった」(14.8%)と「やや上がった」(28.0%)の合計が4割超になった。最も多かった回答は53%の「変わらない」だった。
サーバーワークスは「生成AIを『相棒』より『脅威』と見る人が割合としては多いものの、働きがいを向上させていることが分かる。短期的には効率化で働きがいが向上しているものの、長期的な視点では脅威と捉えている人が多い可能性がある」との見解を示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Rubyの父 まつもとゆきひろさんが示す、AI時代の若いエンジニアに必要な“4つのスキル”
「インデントはスペース2つ」と指定したのに、4スペースで書き出す。バグを指摘しても全く関係ない所をいじり始める。思い込みで間違った場所を修正し続ける。場合によっては大事な編集まで巻き戻そうとする……。だからこそ、AIには人間が必要なんだ。
「AI学習は無料で」が8割 ホンネは「金も時間もかけたくない」
AI学習の障壁は「時間がない」「お金がない」「実践の場がない」。
2030年には“AIなしでのIT業務”が消滅 企業が今すぐ備えるべき「人間側の準備」とは
ガートナージャパンは、世界のCIOを対象に実施したAIへの取り組みに関する調査に基づき、企業はAIと人間の両面を準備して“新たな価値”の獲得を目指す必要があるとの見解を発表した。

