AIエージェントは「活用、導入」から「最適化」のフェーズへ 課題は“統合の複雑さ”:クラウドエース実態調査
クラウドエースは、AIエージェント活用の実態調査結果を公開した。それによると回答者の51.4%が「既存システム連携の難しさ」を課題と捉えていることが分かった。
クラウドエースは2025年10月9日、AI(人工知能)エージェント活用に関する実態調査結果を公開した。これは情報システム、DX(デジタルトランスフォーメーション)、AIなどを推進する部門の担当者を対象に実施した調査で、111人から有効回答を得た。それによるとAIエージェントの主な活用分野として最も多いのは「ヘルプデスクや社内問い合わせ対応」(52.3%)だった。
最も実感する導入効果は「人的ミスの削減」
AIエージェントに関する課題は「既存システムとの統合、連携が複雑」(51.4%)が最多で、「複数エージェントを効率的に連携できない」(42.3%)、「判断過程が不透明」(39.6%)が続いた。自由回答では、「シャドーAI」のリスクや専門人材の不足、精度管理の難しさなど、技術、人材、ガバナンスの各面における課題が浮き彫りになった。
導入効果としては「人的ミスが減り、品質が向上」が最も多く、57.7%。次いで「24時間対応の実現」(42.3%)、「専門業務の効率化」(36.9%)が続いた。一方で、負担面では「人材確保や育成」(29.6%)という回答がトップに挙がった。外部支援としては「導入事例の共有」(52.3%)や「セキュリティガイドラインの整備」(40.5%)を求める声が多かった。
今後の進化に期待する点は「セキュリティ機能の強化」(50.5%)、「判断根拠の透明化」(46.8%)、「既存システムとの統合容易化」(45.0%)が挙げられた。これらの結果についてクラウドエースは「AIエージェント活用が技術導入の段階を超え、最適化と人材育成を両立する新たなフェーズに移行していることが分かる」と分析している。
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