「※確認中」はもう卒業。Googleスプレッドシートの共同作業を劇的に変える「メモ」と「コメント」徹底活用術:Tech TIPS
Googleスプレッドシートをチームで共有する際、セル内に直接「※確認中」といったメモを書き込んでいないだろうか。この行為はデータの集計ミスやレイアウト崩れを招く、共同作業における「禁じ手」だ。本Tech TIPSでは、データの整合性を保ちつつ、チームの意思疎通をスムーズにする「メモ」と「コメント」の使い分けと、スマートな活用術を解説する。
対象:Googleスプレッドシート(Windows 11)
Googleスプレッドシートの共同作業を劇的に変える「メモ」と「コメント」徹底活用術
Googleスプレッドシートをチームで共有する際、セル内に直接「※確認中」といったメモを書き込んでいないだろうか。この行為はデータの集計ミスやレイアウト崩れを招く、共同作業における「禁じ手」だ。本Tech TIPSでは、データの整合性を保ちつつ、チームの意思疎通をスムーズにする「メモ」と「コメント」の使い分けと、スマートな活用術を解説する。
「Googleスプレッドシート」は、Webブラウザで実行できて、Webブラウザ上で簡単にシートを共有できるため、共同作業などに利用しているチームも多いのではないだろうか。しかし、共有時に最も避けるべきなのは、セル内に直接、補足説明や自分用のメモを書き込むことだ。このルールを無視すると、集計ミスやレイアウトの乱れが発生し、最終的には「何が正しいデータなのか」が判別不能になる。
この問題を解決し、データの整合性を保ったまま円滑なコミュニケーションを可能にするのが「メモ」と「コメント」である。本Tech TIPSでは、Googleスプレッドシートの「メモ」と「コメント」の使い方を紹介しよう。
「メモ」と「コメント」の正体:役割の決定的な違い
Googleスプレッドシートには、セルにデータそのもの(セルの値)とは別の「透明なレイヤー」に情報を残せる「メモ」と「コメント」の2つの機能がある。どちらも数式や数値に影響を与えないため、集計ミスを誘発することはない。また、必要なときにだけ表示されるため、表を見る際の邪魔にならないというメリットもある。
「メモ」と「コメント」は似た機能だが、使う用途は少し異なっている。
「メモ」は、自分や閲覧者に対して一方的な注釈として利用するものだ。入力のルールや注意点、セル内の数式の説明などに用いる。
「コメント」は、相手とのやりとりをするもので、質問や修正依頼などに利用する。「コメント」には、相手も書き込むことでスレッドとして履歴を残すことも可能だ。
データの背景を説明する「メモ」の活用手順
では、以下の「進捗確認表」を例に「メモ」の使い方を解説しよう。
| ステータス | タスク名 | 期限 | 担当者 | 進捗状況 |
|---|---|---|---|---|
| 進行中 | WebサイトTOP案作成 | 2026/02/28 | 田中 太郎 | 50% |
| 未着手 | バナー広告デザイン | 2026/03/15 | 佐藤 花子 | 0% |
| 確認中 | プレスリリース初稿 | 2026/02/26 | 鈴木 一郎 | 70% |
| サンプルの「進捗確認表」 | ||||
例えば、「E1」セルの「進捗状況」に「メモ」を付けて、どのようなルールで進捗状況のパーセンテージを入力するのかの説明を入力するとしよう。「E1」セルを選択し、[Shift]+[F2]キーを押すか、右クリックメニューの[メモを挿入]を選択する。「ここに入力」と書かれた付箋が表示されるので、ここに「終了時点を100%として、日数換算での進捗状況を示す」といった具合に入力しておく。
「メモ」があるセルの右上には三角の青いマークが付き、マウスポインターを重ねると「メモ」が表示される。
「メモ」は、編集権限のある人は修正が可能だが、履歴は残らないので注意が必要だ。閲覧権限の人は、確認するだけとなる(修正はできない)。この例のような「進捗確認表」は、チーム全体が編集権限とすることが多いと思うので、誤って「メモ」を削除したり、書き換えたりしないように運用する必要がある。
もちろん「メモ」は自分宛てとしても活用できる。複雑な数式に対して、何をしているものなのかを「メモ」しておけば、後から開いた場合に悩まずに済む。
不要になったメモは、セルの右クリックメニューの[メモを削除する]を選択すると削除できる。
チームの合意形成を加速させる「コメント」
「コメント」は、前述の通り、特定のセルに対してスレッド形式で会話ができる機能だ。相手を「@名前(メールアドレス)」でメンションして通知を送ることもできる。
「コメント」を付ける場合は、セルを選択して、[Ctrl]+[Alt]+[M]キーを押すか、右クリックメニューの[コメント]を選択する。「コメントを追加または@を仕様してユーザーを追加」という入力ボックスが表示される。
例えば、「A3」セルの「未着手」に対して、佐藤花子(hanako-s@example.com)さんにメンションする形で「@hanako-s@example.com 着手開始日をお知らせください」という「コメント」を付けると、佐藤花子さんに通知(メール)が送信され、この「コメント」への回答が促される(Googleドキュメントエディタヘルプ「コメント、アクション アイテム、絵文字のリアクションを使用する」参照のこと)。
「コメント」があるセルの右上には三角の黄色いマークが付き、マウスポインターを重ねるか、セルを選択すると「コメント」が表示される。
「コメント」を入力する(2)
「コメント」の入力ボックスにメッセージを入力する。「@<メールアドレス>」を付けるとメンションが付けられる。また、「<メールアドレス>」に割り当て」にチェックを入れると担当者に割り当てて回答を要求することも可能だ(Googleドキュメントエディタヘルプ「コメント、アクション アイテム、絵文字のリアクションを使用する」参照のこと) 。メンションを付けたユーザーと本シートを共有していない場合、ここで共有を促すダイアログが表示される。
佐藤花子さんは「コメント」を開いて、例えば「2月10日にデザイナーと打ち合わせ予定」と入力すればよい。
2月10日を過ぎても「未着手」のステータスだった場合は、再度、佐藤花子さんにメンションして状況を確認すればよい。「進行中」になって、この「コメント」が不要になった場合は、入力者名の右側にある「解決済みマーク(チェックマーク)」をクリックすれば、「コメント」は画面上から非表示となる。
全ての「コメント」の履歴を確認したい場合は、画面右上の「コメント履歴を開く(吹き出しアイコン)」をクリックすればよい。シート内の全スレッドが一覧表示される。未解決のタスクがないかどうか一目で確認可能だ。
「コメント」の履歴は、スプレッドシートのオーナーであっても完全に削除できない仕様になっている。これは意図しない削除や改ざんからデータを守るためだ。この点も「メモ」とは機能が異なる点である。
このように「コメント」を活用することで、データそのもの(セルの値)に手を加えることなく、表をベースに議論ができる。
ダウンロード時のファイル形式による「メモ」「コメント」の「消失」に注意
Googleスプレッドシートに入力した「メモ」や「コメント」は、[ファイル]−[ダウンロード]−[Microsoft Excel(.xlsx)]や[OpenDocument(.ods)]を選択してダウンロードした場合、Microsoft Excelでも表示可能だ。[PDF(.pdf)]の場合は、「メモ」や「コメント」が注釈として表の外に表示される。
一方、[ウェブページ(.html)]や[カンマ区切り形式(.csv)][タブ区切り形式(.tsv)]の場合は、「メモ」や「コメント」が出力されず、失われてしまう。
「メモ」や「コメント」を含めてダウンロードしたい場合は、出力形式に注意する必要がある。
このように「メモ」や「コメント」を使うことでスプレッドシートの確認作業がスマートになる。用途に合わせて「メモ」と「コメント」を使いこなすことで、表は本来のデータとしての役割を果たしつつ、その裏側で活発な議論を行うことができる。「セルの中に直接(※確認中)などと打ち込む」のはもうやめよう。
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