NVIDIAのフアンCEOがOpenClawを絶賛、「あらゆる企業は社内での利用に備えよ」:NVIDIA GTC 2026
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、人気の高まるオープンソースの個人向けAIエージェントツールOpenClawを称賛し、企業内での利用へのサポートを発表した。同氏によると、OpenClawは「エージェンティックコンピューターのOS」だという。
NVIDIAの社長兼CEOのジェンスン・フアン氏がオープンソースAIエージェントツールOpenClawを称賛し、企業内利用のサポートを発表した。
NVIDIAの年次イベントGTC 2026の基調講演でフアン氏は、OpenClawが人類の歴史上最も人気の高いオープンソースプロジェクトだと説明した。
2025年11月に始まったOpenClawプロジェクトは、GitHubで約30万のStarを獲得するに至った。「数週間のうちにLinuxが30年かけてやってきたことを上回った。それほど重要な動きだ」(フアン氏、以下同)。
「OpenClawはエージェンティックコンピューターのOS」
OpenClawはPCにインストールして使える個人向けAIエージェントツール。LLM(大規模言語モデル)を“脳”として使い、複雑な作業をインテリジェントに自動化できる。ローカルファイルへのアクセスやアプリケーション/ツールとのAPI連携、PCの画面操作により、ワークフローを自動実行する。ディープリサーチやプログラミングも行える。
OpenClawでは、APIと画面操作を組み合わせられる点も大きな強みとされる。例えばAPIでデータを取得し、画面操作によってAPI非対応の社内システムにログインして入力するなど、人間がこれまで手作業で補っていた部分を完全に自動化できるという。
ユーザーインタフェースとしては、LINE、Slack、Discord、Telegramなどのチャットアプリが使える。指示は自然言語(画像、動画の併用も可)でメッセージとして送ればいい。作業結果もチャットアプリで受け取れる。LLMは自由に選択可能。ローカルで動かすことが推奨されているが、クラウド、ハイブリッドの構成も可能だ。外部アプリ/ツールとの連携やワークフローテンプレートの利用はスキル/プラグインで容易に行える。
OpenClawwikiは次のような使い方を紹介している。
- 受信メールをスキャンしてスパムをアーカイブし、優先度の高いメールを毎日朝のブリーフィングとしてまとめる
- 血液検査のPDFファイルをOpenClawに送り、結果を分かりやすい言葉で説明させる
- フライトの検索、オンラインチェックイン、目的地の天気に基づいた持ち物リストの作成を自動で行う
- 「最新のコミットをステージングサーバにデプロイ」という指示を受け、gitコマンドとSSHスクリプトによりデプロイを実行する
- htopコマンドやディスク使用量のチェックを定期実行し、サーバの負荷が高い場合はTelegramでアラートを送る
これだけだと「賢い便利ツール」といったイメージが強いが、基調講演では、ロボットのグリッパーの設計や自動運転のシミュレーションをインタラクティブに進めるといった高度な使い方を見せた。
フアン氏はOpenClawを「エージェンティックコンピューターのOS」とも表現する。
「ツール、ファイルシステム、LLMにアクセスできる。スケジューリングやcronジョブを実行できる。与えられた問題を段階的に分解できる。他のサブエージェントを作成し、呼び出すことができる。I/Oがある。好きなモダリティで話しかけることができる。テキストメッセージやメールで返信してくれる」
こうしたツールは企業内でも自然に広がっていく。従って、「どんな企業でもOpenClaw戦略を持たなければならない」、つまり従業員の大半がこのツールを使う状況に備えなければならないと話し、企業内での利用をサポートすると発表した。
OpenClawのようなツールは、社内情報へのアクセスやプログラミング、社外との通信が自動的にできてしまう。これは企業にとって大きなデータセキュリティリスクになる。
そこでNVIDIAはNemoClawというセキュリティスタックを発表した。サンドボックス化、ポリシー管理、ネットワーク制御など、データのセキュリティやプライバシーを確保した利用が可能になるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
