「キャリアパスが分からない」 生成AI時代、エンジニア志望学生のホンネ:雇用が増えても、いずれ「仕事がなくなる」?
ハウテレビジョンは2027年卒のITエンジニア志向の学生を対象とした意識調査の結果を初公開した。生成AIの技術発展により職種選択の考え方に影響があったと答えた学生は42.4%に上った。
ハウテレビジョンの外資就活総合研究所は2026年2月19日、「生成AI時代におけるITエンジニア職志望学生の意識調査(2027年卒)」を発表した。調査は2025年12月28日から2026年1月5日にかけて、ITエンジニア志向がある「外資就活ドットコム」会員を対象にWebアンケートで実施された。有効回答数は271人で、そのうち大学生が38.2%、大学院生が61.8%だった。
同調査によると、生成AI(人工知能)の発展を目の当たりにしたことで、職種選択の考え方に影響があったと回答した学生は42.4%に上った。
回答者を自己評価と経験に基づき「開発経験あり」(27.6%)と「開発経験なし」(34.1%)に分類したところ、生成AIの発展を受けて「志望職種を変更した」と回答した割合は、開発経験ありの16.7%に対し、開発経験なしは26.7%だった。
第一志望や比較検討職種における傾向
開発経験ありの回答者が現在就職先の第一志望に挙げている職種は「ITエンジニア職(63.9%)」が最も多く、「研究職(11.1%)」がそれに続いた。一方、開発経験なしの回答者の第一志望職種として最も多く挙がったのは「総合職(23.3%)」で、「ITエンジニア職(20.0%)」がそれに続いた。開発経験なしにおいては、「戦略・経営コンサルタント」や「ITコンサルタント」を挙げる回答も一定数見られた。
一方、「就職先として比較・検討している職種」は、開発経験ありでは「ITエンジニア職79.2%」が最も多く、「ITコンサルタント(47.2%)」が次いで多い回答となった。開発経験なしでは「総合職(56.7%)」が最多で、「ITエンジニア職」「ITコンサルタント」「戦略・経営コンサルタント」がいずれも41.7%という結果になった。比較検討している職種の平均選択数は開発経験ありで2.0個、開発経験なしで2.5個となり、開発経験なしの方が比較検討している職種数が相対的に多いという結果になった。
ITエンジニア職の雇用予想と不安
ITエンジニア職の今後の雇用予想については、開発経験ありでは「非常に減少する」と「やや減少する」を合わせた割合が63.9%となり、多数派を占めた。一方、開発経験なしでは36.6%となり、「非常に増加する」「やや増加する」を合わせた割合が36.7%と拮抗(きっこう)する結果となった。
なお、自身がITエンジニア職に就く場合に「仕事がなくなったり代替されたりするのではないか不安に感じる」と回答した学生は、開発経験の有無にかかわらず半数を超えたが、相対的には開発経験なしの方が不安が強い結果となった。
中長期的に担う役割についての情報が不足
生成AI時代にITエンジニア職を選択する上で不足していると感じる情報として最も多く挙がった回答は、開発経験の有無にかかわらず「ITエンジニアが中長期的にどのような役割を担うのか」という根本的な問いだった(開発経験ありで62.5%、開発経験なしで61.7%)。
また開発経験ありでは、「評価され続けるスキル・専門性」や「若手の成長の仕方」などが相対的に上位に並んだ。一方で、開発経験なしでは「キャリアパス」に関する情報ニーズが比較的高いという結果が得られた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AIコーディングはなぜ後から苦しくなるのか? 技術負債に続く「理解負債」「認知負債」という新たな落とし穴
AIコーディングが普及する中で注目され始めた「理解負債」と「認知負債」。従来の技術負債と合わせた「AIコーディング時代の三大負債」を整理し、なぜ開発が後から苦しくなるのかを分かりやすく解説する。
バイブコーディングはもう古い? その限界を乗り越える「エージェンティックエンジニアリング」
「バイブコーディング」という言葉が生まれてから1年。さらに大きく変化しつつあるAI開発スタイルに、あらためて名前が与えられた。それはどんな考え方で、どんな開発なのか。なぜ今、その言葉が必要とされているのか。
AIを理由に人員を削減した企業の5割が「結局再雇用」へ Gartnerが明かす「AI失業」の真実
Gartnerは、AI導入を理由に顧客サービススタッフを削減した企業の動向に関する予測を発表した。2027年までにその半数が再雇用に踏み切るとの見解を示し、AIの限界と人的リソースの重要性を指摘している。
年収1000万円超えインフラエンジニアの「知識」は何が違う? キャリアアップを分ける条件
LPI-Japanは「インフラエンジニアの技術力と年収に関する実態調査」の結果を発表した。
Cracked Engineerとは? AI時代に語られ始めた“異常に強いエンジニア”の実像
AIエージェントとAIコーディングツールの普及を背景に、「Cracked Engineer」という新しいエンジニア像が語られ始めている。10x EngineerやVibe Coderとの違いを整理し、AI時代に取り入れるべき生存戦略をまとめる。
ひろゆきの予測「SIerは衰退する」 AIが変えるエンジニア採用
「技育祭2025【秋】」にひろゆき氏が登壇。学生からの「AIに職を奪われるか」「SIerはオワコンか」といった質問に、現役エンジニアの視点で回答した。「コーディングはAIができる」「大企業を目指せ」など、生成AI変革期におけるキャリア形成について語られた、忖度(そんたく)なしのリアルな助言をレポートする。



