LayerX、初M&Aはセキュリティ領域 AIエージェントでペンテスト自動化に期待:新ビジネスモデルの創出を促進
LayerXは初のM&Aとしてセキュリティ企業のAgenticSecをグループに加え、セキュリティ領域に本格参入した。AgenticSecはAIエージェントによってペンテストの自動化を研究するスタートアップだという。
LayerXは2026年4月23日、セキュリティ企業のAgenticSecをグループに迎え、セキュリティ領域に本格参入したと発表した。同社にとって初のM&A(合併・買収)となる。
LayerXは「すべての経済活動を、デジタル化する。」を掲げ、バックオフィス向けAIエージェント「バクラク」や資産運用サービス「ALTERNA」、エンタープライズ向けAI基盤「Ai Workforce」などを展開してきた。近年はAIやコーディングエージェントの進化によってソフトウェア開発のスピードが飛躍的に高まる一方、実装後の検証や安全な運用の重要性が増している。こうした環境変化を背景に、同社はセキュリティ分野への進出を決断した。
LayerXがセキュリティ領域に本格参入 ペンテスト自動化に期待
AgenticSecは、AIネイティブな設計に基づき、攻撃者視点を持ったAIエージェントによって継続的に脆弱(ぜいじゃく)性を検証する技術を開発するスタートアップだ。同社は2026年4月17日付でSecDevLabから商号を現在のものへと変更した。
AgenticSecの主力製品「AgenticSec Pentest」は、IPアドレスの入力のみで内部侵入のアクセスを自動で獲得するペネトレーションテストフレームワークを採用している。エージェントが自律的に攻撃面を分析し、脆弱性や侵入経路を発見する。従来の人手による診断では難しかった高頻度な検証や、過去の結果を踏まえた柔軟な攻撃シナリオの生成にも対応可能だ。
AgenticSecのCEOである中谷翔氏は生成AIの普及によって攻撃側と防御側の非対称性が拡大しているとし、「AIエージェントによる自動化でこの構造を変える」と強調。従来の人手中心のペネトレーションテストが抱えるコストや人材不足といった課題を解消し、「いつでも、何度でも」実行できる新たなセキュリティ検証の標準を目指す考えを示した。
なお、中谷氏はAIによるペネトレーションテスト自動化の研究開発を進めてきた人物で、2025年にはセキュリティカンファレンス「Black Hat USA 2025」で発表や論文を公開している。AIによる初期侵入プロセスの完全自動化を実現した他、関連技術の特許も出願済みだ。
LayerXの代表取締役CTO(最高技術責任者)である松本勇気氏は「AIの進化によって実装速度が上がる一方で、検証と安全な運用の重要性はさらに高まる」とし、高度なAIが攻撃側にも活用される可能性に言及し、「AgenticSecは新たなアプローチでこの課題に取り組む企業だ」と評価した。
LayerXは今後、M&Aを重要な成長戦略と位置付け、AI時代に重要性が高まる領域やデジタル基盤分野を中心に検討を進める方針だ。今回の買収を皮切りに、既存事業の拡張と新たなビジネスモデルの創出を促進させるとしている。
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