“激混み”新宿でも通信が途切れない はとバスは「車内のフリーWi-Fi」をどう実現?:タブレットでの運行情報取得にも活用
はとバスの車内で乗客が利用できるフリーWi-Fi。その仕組みはどうなっているのか。乗客向けの通信だけではなく、運行情報の取得といった業務にも利用しているという、車内通信の中身を見ていこう。
東京や横浜でバスツアーを展開する、黄色い車体が目印の観光バス会社が、はとバスだ。同社が運行するバスでは、乗車中に動画を視聴したり、Webサイトを閲覧したりするなど、乗客によるインターネット利用が広がっていた。そのため同社では、乗客が移動中でも快適にインターネットを利用できる通信手段の整備が課題となっていたという。
はとバスは、タブレットを用いた運行情報の取得など、バスの車内業務での通信利用も想定していた。そのため乗客向けだけではなく、業務用途でも信頼して利用できる、安定した通信回線を確保する必要があった。
はとバスが実現した「車内のフリーWi-Fi」の仕組みとは
こうした課題を解消するために、はとバスはバス車内で利用する、乗客向けのフリー無線LANサービス(以下、フリーWi-Fi)と業務用の通信手段の整備に着手した。どのような方法で実現したのか。
はとバスが採用したのは、通信機器の開発・製造を手掛けるファイバーゲートのバス車内用無線LANサービス「Wi-Fi BUS」だ。はとバスの車両60台を対象に導入し、フリーWi-Fiと業務用通信の双方に利用する。
Wi-Fi BUSは、モバイル回線を利用した専用の無線LANルーターにより、回線工事をせずにバス車内でのインターネット接続を可能にする。モバイル回線として、KDDIやソフトバンク、NTTドコモの回線を利用できる。
混雑する新宿でも安定的に通信、導入前に検証
導入に先立ち、はとバスは初台駅付近から新宿駅間のルートで、実機を用いた通信安定性の検証のためにネットワーク負荷テストを実施した。バスにWi-Fi BUSの機器を設置し、複数端末を同時に接続して通信負荷を掛けるテストだ。
テストでは16端末を同時に接続した。その結果、新宿駅付近の混雑エリアでも通信の断絶は発生しなかったという。乗客の主な用途となるメッセージアプリケーションでのやりとりやWebサイトの閲覧、動画の視聴などを、快適にできるだけの通信品質も確認した。
こうした検証で確認した通信の安定性が、乗客向けのフリーWi-Fiと業務用通信の双方にWi-Fi BUSを採用する決め手になったという。はとバスの関連会社である、はとバスエージェンシーがWi-Fi BUSを契約した。ファイバーゲートは2026年7月28日、本事例を発表した。
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