セガサミーHDが「増え続けるログをオンプレミスSIEMに保存し切れない」を解消へ 何を変えた?:脅威インテリジェンスの「各拠点1ライセンス」の制約も解消
ログ増大でSIEM製品に全てのログを保存できず、脅威インテリジェンスサービスも各拠点1ライセンスに制限せざるを得なかったセガサミーHD。こうした制約を解消するために、セキュリティ運用をどう変えたのか。
1万1944人の従業員を擁するセガサミーグループは、ゲームや映像作品、パチンコ・パチスロ機器などを手掛ける総合エンタテインメント企業グループだ。2004年10月にサミーとセガの経営統合で生まれた持ち株会社のセガサミーホールディングス(以下、セガサミーHD)がグループのコーポレートITを担い、セキュリティ対策も進めている。
セガサミーHDでは、オンプレミスのSIEM(Security Information and Event Management)製品がログ管理の中核を担ってきた。だがログ量の増大によって全てのログを保存できず、思うような分析ができない状態が続いていたという。脅威インテリジェンスサービスについては、予算の関係から各拠点に1ライセンスずつしか割り振れないことが課題になっていた。
SIEMと脅威インテリジェンスをどう見直した?
こうした課題を抱える中、セガサミーグループは2024年ごろ、各国拠点が個別に担っていたIT施策をセガサミーHDが統括する方針を定めた。セキュリティ製品もグローバルで統一する機運が高まり、SIEM製品や脅威インテリジェンスサービスも見直すことにした。同社は課題解決のために、何をどう変えたのか。
セガサミーHDは、既存のSIEMシステムを増強するか、SIEMシステムをクラウドサービスとして利用するかといった選択肢を検討し、クラウドサービスへの移行を決めた。複数のSIEMサービスを比較、検討し、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud」のSIEMサービス「Google Security Operations」(以下、Google SecOps)を選定した。2025年7月からPoV(価値実証)を実施し、同年10月の部門内レビュー、年末の役員説明を経て、2026年4月から国内で正式に活用を始めた。
Google SecOpsを選定する上で、標準機能の「Curated Detections」によってログから脅威を自動検知できることや、独自のアラートルールの作成にGoogleの生成AI「Gemini」を利用できることなどを評価した。ダッシュボードのカスタマイズを実現しやすいと判断したことも、選定を後押ししたという。
セガサミーHDはGoogle SecOpsへの移行によって、従来のSIEM製品で課題となっていたログの保存量や分析方法の見直しを進めている(図)。蓄積したログを脅威検知に活用する他、Geminiを使って独自のアラートルールを作成するなど、ログの蓄積だけではなく、脅威の検知や分析に活用する運用への転換を進めている。
並行して脅威インテリジェンスサービスの「Google Threat Intelligence」を導入することで、脅威情報にアクセスできる担当者の範囲が広がった。従来のサービスと同じ予算で、各拠点のセキュリティ担当者全員にアカウントを払い出せるようになったという。これにより限られた担当者だけではなく、各拠点のセキュリティ担当者が、自社に関する脅威情報を自ら確認できるようになった。
セガサミーHDは今後、米国のSega of Americaや欧州のSega Europeなど、約80カ所の海外拠点に対して、Google SecOpsやGoogle Threat Intelligenceなどの導入を進める。Google SecOpsをチケット管理ツールと連携させることで、アラートへの対処を自動化する計画もあるという。Google Cloudの日本語版公式ブログが2026年7月17日に、本事例を公開した。
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