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YKKが監査工数を50%削減へ 「世界中から監査データをメールで回収、手作業で集計」をどう解消した?「各社からメールで回答を回収、手作業で集計」をどうやめたのか

複数拠点からデータを集める場合、拠点数が増えるほど収集や管理の負担も大きくなる。YKKも約50拠点を対象とする監査で、各社からデータを回収して集計する作業に課題を抱えていた。どう解消したのか。

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 ファスナーなどの留め具を手掛けるYKKは、国内外の主要グループ会社を対象としたコンプライアンスの基準として「YKKグローバルコンプライアンス基準」(YGCC)を定めた。「各国の法令や業界基準、社内規則の中で、最も厳しい基準に合わせる」という考え方に基づいて策定した基準だ。同社はYGCCに沿って、グループ会社のコンプライアンス監査を実施している。

 YGCCに基づくコンプライアンス監査体制は2013年に始まった。YGCCには「マネジメントシステム」「労働条件」「労働時間と賃金」「安全衛生」「環境」「公正な事業慣行」の6分野にわたる、さまざまなチェック項目がある。YKKはこの監査体制の下、毎年の内部監査と3年に一度の外部監査を実施する。

 世界約50拠点を対象とする監査業務では、YKKは各社に表形式のデータをメールで送付してセルフチェックを依頼し、回答を回収して手作業で集計していた。監査データを年単位で管理しており、過去のデータとの比較や複数拠点を横断した分析が難しかった。YGCC自体を毎年更新することから、過去の監査結果を踏まえて状況の変化を追うことも難しかった。

監査工数50%削減へ 「メールと手作業での監査データ集計」をどう変えた?

 こうした課題を解消するために、YKKは監査データの収集から管理、分析までの方法を見直した。メールや手作業に頼る方法から脱却し、監査工数の大幅な削減を見込む。具体的には何をどう変えたのか。

 監査業務の効率化に向けて、YKKが2024年11月に導入したのが、ServiceNowの統合リスク管理製品「Integrated Risk Management」(以下、IRM)だ。IRMの導入により、各社へのセルフチェックの配布や回収をシステム化した。監査業務の効率化に向けて監査項目も見直し、質問を整理・統合して約3割削減した他、一部の監査をリモートで実施する取り組みも進めた。

 IRMの導入後は、従来のように表形式のデータをメールでやりとりすることなく、セルフチェックの配布・回収から監査データの集計までシステムで完結できるようになった。監査項目の簡素化やリモート監査の導入といった取り組みの効果も含めて、監査工数を約50%削減することを見込む。

 収集した監査データや監査結果、改善計画の進行状況をIRMで一元管理することで、即時の集計・可視化が可能になった。ダッシュボードで拠点ごとの監査状況を確認できるようになり、経営層への報告用資料の作成にかかる負担を軽減したという。

 製品選定では、米国連邦政府のセキュリティ評価・認可プログラム「FedRAMP」(Federal Risk and Authorization Management Program)などの厳格なセキュリティ要件を満たしていること、複数の国の言語で使えることなどを重視した。これらの条件を満たすと判断したIRMを採用し、2024年11月に導入した。

 YKKは今後、複数の海外製造拠点で取得・公開している環境や社会、労働に関する評価データも、YGCCの監査データと共にIRMで管理し、グループ全体のサステナビリティー推進を強化する方針だ。ServiceNowの日本法人であるServiceNow Japanが2026年7月29日、本事例を発表した。

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