「ネットワークが遅い=帯域不足」「Wi-Fi障害に手動対応」「CLIで問題特定」――その常識はもう古い?:ネットワーク運用の“当たり前だったこと”を見直す(2/2 ページ)
「ネットワークが遅い」と言われたら帯域を確認する。「Wi-Fiがつながらない」と言われたら原因を調べる。障害が起きればCLIをたたいて問題を切り分ける――。ネットワーク運用で長く続いてきたこうした“当たり前”は、一部の運用現場では必ずしも常識ではなくなりつつあります。
「CLIをたたいて原因を探す」運用もなくなる?
さらに一歩進めれば、問題が起きてからネットワーク担当者が調査するという前提そのものも変わる可能性があります。
従来のLAN運用では、担当者がネットワークを監視し、問題が起きればCLIを使って機器の状態を確認しながら原因を特定する方法が一般的でした。
これに対して、LANの機器だけでなく運用管理までをサービスとして提供する「キャンパスNaaS」(Network as a Service)では、AIを使ってネットワークから大量のテレメトリーデータを収集、分析し、人が気付く前に異常を検知して問題の排除や修復まで実行するという考え方が登場しています。
背景には、ネットワーク運用における人為的なミスの問題もあります。記事では、ネットワークトラブルの約70%が「設定ミス」に起因するというデータを紹介しています。人が設定し、人が監視し、問題が起きたら人が調査するという運用では、担当者の負荷だけでなく、人為的なミスを完全になくすことも困難です。
そこで、設定や監視、異常検知などを可能な範囲で自動化し、LANを「機器を所有して自分たちで維持するもの」から、「正常につながるという成果をサービスとして利用するもの」へ変える考え方が出てきています。
もちろん、既存のLANを一気にこうした形へ移行できるわけではありません。既存機器や従来の設計、運用手法が残る環境では、ゼロベースで自動化されたネットワークに切り替えるには時間がかかります。
それでも、ネットワーク担当者の仕事を「問題が起きてから、人が一つ一つ調べて直す」ことだけにしないという方向性は、少しずつ現実のものになりつつあります。
ネットワークの「遅さ」を帯域幅だけの問題として捉えず、ユーザーからクラウドサービスまでを含めて通信の状態を把握する。「Wi-Fiが遅い」という問い合わせのたびに人が調査、調整するのではなく、自動化できる部分は任せる。問題が発生してからCLIをたたいて原因を探すだけでなく、異常を事前に検知し、問題そのものを減らす。今回取り上げた記事からは、こうした変化が見えてきます。
ネットワークが複雑になる一方、運用を担う人材を際限なく増やすことはできません。今後のネットワーク運用では、「人がどう速くトラブルを解決するか」だけではなく、「そもそも人が対応しなければならないトラブルをどこまで減らせるか」が、重要な視点になっていきそうです。
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